及川さんが気になる少女は、及川さんにまったく興味を示さないようで。2

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Aside



図書館で勉強し始めて、1時間以上経つとさすがに疲れてきた



頭はモヤモヤして痛むし、身体の節々が痛い



首を横に振ったり、回したりして身体のこわばりを解そうとするけど、ちっともよくならない



しょうがない、集中も切れちゃたし、少し休憩しよう



1度大きく伸びをして及川さんの方を見ると、ペン回しをしながら、前方をぼっーと見つめていた



どうやら、及川さんも集中が切れてしまったようだ



勉強は嫌いだから、するだけで気疲れしてしまう



学生は皆そんなものだ



勉強に集中していた身体が、痛み以外の感覚を伝えてきた



喉、渇いたな



勉強中は目の前の問題しか目に映っておらず、水も飲んでいないし、甘いものも食べたい



勉強した後ってすごく痩せた感覚があって、ついつい食べすぎちゃうから、甘いものは控えなきゃ



せめて、飲み物だけでは飲もう



そう思い、席を立つ



及川「どこ行くの？」



席から離れて違う階にある自動販売機に行こうとすると、腕を掴まれる



A「(わっ・・・！)」



腕を掴まれて引き止められるなんて、男の人から初めてされた



腕を掴まれたまま真っ直ぐな瞳に見つめられて、ドキドキしてしまう



A「ごめんなさい、飲み物を買いに行こうと思って・・・
及川さんも何か飲みますか？」



まずは、勝手に席を立とうとしたことを詫びる



いきなりどこかに行くだなんて失礼だった



及川「そっか・・・・・・
じゃあ、俺も行くよ」



A「えっ、でも、私が買ってきますよ？」



及川「いーの！俺も集中力切れちゃったし」



先程の真剣な表情を和らげて、いたずらっぽく微笑んで見せた及川さんは、私の荷物と自分の荷物を手早くまとめると、2人分のバッグを持った



及川「行こっか！」



私に綺麗にウィンクすると、私の手を掴んで引いていく


大きくて私より体温の高い手に腕を掴まれて、いやでも意識してしまう



意識しすぎちゃダメだ・・・



この前読んだ本を思い出そう



私は気を紛らすために考え事に没頭して、大人しく及川さんに手を引かれた

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