41 ページ1
及川side
"Univers Cafe"と星空をベースにした看板の下にOPENというふだがかかっているのを確認して、扉を開く
カランカランという耳に心地よい鈴の音を聞きながら店に入った
「いらっしゃいませ〜!」
店に入った途端、店員さんの声と穏やかな音楽に迎えられる
「おひとり様ですか?」
そうきく店員さんは、男1人で入ってきた俺に笑顔で接してくれる
怪訝そうな顔をされると予想していた俺は、それにホッとした
及川「はい」
少し微笑んで答えると、「こちらにどうぞ〜」と言って席に案内してくれる
今どきはスイーツ男子も居るというし、男が1人でこういったところに来るのはそんなに珍しいことではないのか
それに、女は大体俺の笑顔を見ただけで顔を赤くする
だが、店員さんは至って普通だ
そういったところもホッとするものだ
そんなことを考えていると、不意に初めて会ったときに俺の記憶に刻みこまれた声が聞こえてきた
「あれ、及川さん?」
声のした方を勢いよく振り向くと、初めて見る私服姿の彼女が1人座っていた
初めて見る私服に思わず目を走らせる
薄手のボーダー柄のロンTに黒のサスペンダー付きのスカートを合わせ、足元は黒のニーソ、はたまた黒のパンプス
髪は後ろで低めのハーフアップをバレッタで留め、首元にはさりげなく光るネックレス・・・
よく姉貴の雑誌を読んでいた(読まされていた)から、女の子のファッションはよく理解していた
シンプルかつ上品で、それでいって彼女に似合うコーディネート
その場にしゃがみこんで熱くなる顔を隠すように手で覆い、下を向く
胸の鼓動が速く打っているのがわかる
ヤバイヤバイヤバイヤバイ
くっっっそカワイイ
「お久しぶりです」
笑顔をたたえて、俺を見つめてくる彼女はとても愛らしい
首元のさりげないおしゃれのネックレスはツボだし、先程は気づかなかったが細みの女性らしい腕時計は知性をも感じさせる
体がどんどん熱くなって、感情がさらにゴチャゴチャになる
A「及川さん?」
顔を手で覆っている俺の顔を覗きこもうと、俺に近づいてきた彼女に顔を上げて慌てていう
及川「ひっ、久しぶりだねっ!」
落ち着け落ち着け。
動揺してると変に思われるだけだ
そう自分にいいきかせても、俺の鼓動は速いままだった
116人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kureha (*´∀`)(プロフ) - くろすけさん» ありがとうございます!そう言っていただけて本当に嬉しいです(*^^*) (2017年8月17日 19時) (レス) id: c495a3c21a (このIDを非表示/違反報告)
くろすけ - 面白いです!応援してます!頑張ってください!\(´∀`)/フレーフレー (2017年8月17日 19時) (レス) id: 83a6a57f89 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Kureha (*´∀`) | 作成日時:2016年7月10日 12時