337.【3】 ページ37
［雅にぃside］
智「和、寝たよ。
俺のベッドで…笑」
翔にぃと潤とリビングで
話をしていたところに智にぃも合流した。
翔「診せてくれた？」
智にぃは小さく首を振った。
智「まだ治ってないからみせたくないって」
翔「そっか。潤がね、お風呂の時に何回か
聞いてくれてたみたいだけどね…
やっぱり、ぶつけたって言うみたい」
智「それってさ…」
翔「うん、そうだね。
故意でぶつけてる可能性が高いね。」
「ちょっと待ってよ！和がわざと、手首を
ぶつけてるってこと？自虐行為じゃん！！」
翔にぃの口から出た言葉に思わず
大声を上げてしまった。
智「雅紀！ちょっと…」
智にぃが潤を気にして止めたけど、
間に合わなかった…
潤「…痛いのに、なんで？」
智にぃと翔にぃを見上げて
涙をポロポロ流す潤。
「ごめん、潤…」
潤は首を振りながらパジャマの袖で
涙を拭いた。
翔「理由…分からない。
イライラしてる感じはないんだけどな。」
確かに和は今のところ、
体調も大きく崩していないし、
比較的落ち着いていて機嫌もいい。
思い当たる理由がなくて俺らはしばらく
黙ったまま各々で考えた。
智「やっぱり和に聞くしかないね…」
翔「そうだね、何かあるなら
早めに対処した方がいい。」
翔にぃは「とりあえず診てくるから、
ここで待ってて？」って
部屋に向かって歩き出した…
「待って、俺も行く」
慌てて翔にぃの後ろをくっついて
部屋に入った。
翔にぃが布団をそっと捲ると、
パジャマの袖の中に手を隠して
ギュッと袖口を握って寝ている和。
翔「…起こすか」
翔にぃは小さく声を掛けながら体を小さく
揺すった。
和「ん〜…さと、にぃ？」
とろんとした目を向けてきた和。
その目が俺らを捉えると…
和「…！だめ！」
一瞬で状況を判断した和は逃げようと
起き上がった。
翔「大丈夫だから…」
翔にぃが慌てて体を押さえたら…
和「やだ！…智にぃ！！助けて！」
大声で智にぃに助けを求める。
バタバタと走ってきた智にぃと潤。
和は智にぃの姿を見つけると
全力で翔にぃの手から逃れようともがいた。
智「かず、大丈夫だよ？」
翔にぃが手を離したら、智にぃの腕の中に
すっぽりおさまった和。
首をぶんぶん振っている…
翔「ごめん、そのまま抱いてて？」
翔にぃが合図してきたから、
無理矢理だけど和の手を探る…
和「！…さと、にぃ！やだって言って…
だめ！だめ！やだ…ぎゃ〜」
和はパニックになって泣き出した…
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作者名：空
| 作成日時：2013年1月16日 6時
