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［智にぃside］
部屋で仕事してたら、
いきなりドアが開いて
和が飛び込んできた。
和は俺のことを見ようともせず、
そのまま俺のベッドに潜り込んだ。
「かず？どしたの？」
また何かやらかして、
翔にキツく叱られたのかな…と思って
声を掛けてみた。笑
和「…翔にぃが来たら、いないって言って？」
「ん？どうして？」
そんなの絶対通用しないだろ…と
突っ込みたくなるのを堪えて
できるだけ優しく問い掛けた。
和「だって…手、診せなさいって言われる。
治ってるから大丈夫だよって言って？」
「かず？治ってるなら診せれば済む話でしょ？
なんで逃げるの？恐いの？」
和「…ちがう」
診察されるのが恐いわけでもなさそう…
布団から目だけを出して「おねがい…」って
訴えてくる和。
翔「かずー？何で逃げんの？」
そこに翔が入ってきた。
和は布団に潜って背を向けて丸くなった…笑
翔もお手上げ状態だ…
「かず？翔が聞いてるよ？どうしたの？」
俺は背中に優しく触れて、問い掛ける…
和「…何でもないから診なくていい」
翔「何でもないなら診せて？」
翔が布団に手を掛けたら
勢いよく飛び起きた和。
手は完全にパジャマの袖の中に
しまって隠している…
和「…やだって。智にぃ、やだって言って？
ねぇ、智にぃ助けて…」
俺にしがみついてくる和。
翔から手を遠ざけようと必死だ…
明らかに普通じゃない嫌がり方に
翔も無理矢理やるのはやめたみたいだ。
一歩引いて見守ってくれている。
「分かった、分かった。
診せたくないの分かったから…」
背中をゆっくりさすって声を掛けたら
ようやく体の力を脱いた和は
俺を見上げてくる。
和「…やらないでって言って？」
「ふふ、だいじょーぶ。
ほら、見てごらん？翔いないでしょ？」
和はキョロキョロしてから頷いた。
気を遣って部屋を出ていった翔の為にも
俺が頑張って聞き出さないとね…
「かず？こっち見て？」
ゆっくり顔を上げた和は、
俺と目が合うとビクッとして逸らそうとする。
「かーず、こっち見てて？」
なるべく刺激しないように、声のトーンを
おさえて、ゆっくり声を掛けていく…
「ねぇ、かず。何がそんなに嫌なの？」
和「…みせたくない」
「どうして？」
和「…無理にしない？」
「うん、しない」
俺が頷いたのを確認した和は小さく呟いた。
和「…まだ治ってないから」
「かず？自分で治せるの？」
和「ん。湿布してるもん…」
そこまで話すと、和は布団に潜った…
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作者名：空
| 作成日時：2013年1月16日 6時
