3160.【雅にぃと脳の病気】 ページ10
［翔にぃside］
※架空の病気です
病室のベッドに寝ている雅紀の腕から、点滴の
チューブが伸びていて、口には酸素マスク。
脳の病気が発覚して、1週間前から入院して投薬治療を
してる。
それも結構厄介な病気。
意識が混濁したり、体に力が入らなかったりして
昨日からベッドから動けていない。
点滴に尿道カテーテル。
心拍を図る機械。
色々なものに囲まれている雅紀は痛々しい。
「まさ…？分かる？」
雅「…ん」
肩の辺りを叩いて問い掛けると、僅かに声を漏らす
のが分かる。
「ご飯食べられないから、チューブ入れるな？」
雅「…」
「すぐ済むから。ちょっと頑張ろう…」
雅「…ん」
沢山の返答ができない雅紀だけど、それでも何とか
反応してくれる。
手伝いにきてくれた先輩に合図して、処置を始める。
「ごめんな、ちょっと苦しいからな…」
雅「…」
「頑張れ…」
顔を軽く固定して、鼻からチューブを入れていく。
雅「…っ、…んっ…っ…」
「ん、嫌だね…」
苦しそうな声を出して、微かにしか動かせない顔を
振ろうとする姿を見るのは辛いけど…
「頑張ろう…」
雅「…んっ…ん…っ、…っ…」
苦しくて辛い時間は短くしてやりたくて、手を
止めずにチューブを進めていく。
先「雅紀くん、上手だよ。もう少し…」
雅「…っ…んっ…っ…んっ…」
先輩も肩をさすりながら励ましてくれる。
雅「…っ、んっ…や…っ…んっ…」
「辛いね…でも、もう終わるよ」
雅「…っ…っん…っ…」
「よしよし。もう、おしまい」
雅「…っ、ん…」
「頑張った、頑張った…」
流れていた涙をタオルで拭いてやって、頬にテープで
チューブを固定。
先輩が酸素マスクをつけてくれたら、雅紀はあっと
いう間に眠ってしまった。
「…どんどん弱っちゃう」
先「…」
思わず口から漏れた本音。
智にぃ達の前では「必ず回復するから大丈夫」なんて
言っている俺だけど、ほんとは不安で心配で
仕方ない。
先輩は黙ってそっと肩を抱いてくれた。
言葉はなかったけど、とっても力強くて…
全ての思いが込められている気がして、フワッと
気持ちがラクになった。
和潤「まさにぃ…きたよ？」
雅「…ん」
午後になってみんなが面会にきてくれて、雅紀は
少しでも反応しようと頑張る。
1週間が経って、双子もようやく現実を受け入れつつ
あったんだけど…
和潤「…っ！まさにぃ！！」
雅「…っ…」
雅紀が痙攣を起こして…
病室は一気に緊張感に包まれる…
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
