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［翔にぃside］
智にぃって頑固なところが
あるから。
「入院はしない」って言っている以上、俺が何を
言っても無駄だろうな…と。
無理矢理に入院させても、勝手に帰ってしまう
だろう。笑
監視をつけてまで入院させるのもね…
「限られた薬しか使えないから、完治まで時間が
かかっちゃうよ？」
智「…ん」
「それでも家がいいの？」
智「ん、帰る…」
今回は説得するのは厳しそう。
「じゃあ、自宅で療養できるようにするから。
その代わり、完治するまで家でしっかり治療して
いくからね？」
智「…ん」
「それだけは約束してね？」
智「ん、分かった…」
「ちゃんと言う事聞いてよ？笑」
智「んぅ…分かったってば…」
念には念を…と思ってしつこくし過ぎたら、唇を
尖らせていじけてしまった。笑
だってさ、智にぃに嫌々言われると勝ち目ないことが
多いんだもん。
やっぱ尊敬する兄なワケだからさ。
そう思うと、今のうちに約束させておきたくて。
「少し休んでて？準備してくるから」
智「…ん」
薬剤の準備をする間、点滴をしながら処置室の
ベッドで休んでもらうことにした。
タオルケットを掛けたら、気持ちも落ち着いたのか
すぐにスーッと寝付いてくれて。
「帰るよ〜」って声を掛けるまで起きなかった。
智「翔も少し寝てね？当直明けなんだから…」
「ん、ありがとう」
帰宅してソファーに座らせたら第一声がこれ。笑
申し訳なさそうな顔してさ「ごめんね…」って。
「ちょっと遅くなっちゃったけど、昼ごはん食べて
少し休もっか」
智「…ん」
「お腹冷やさないでね」って伝えてブランケットを
渡してキッチンへ。
野菜がたっぷりのスープと柔らかめのご飯。
俺はスープとパンを食べることにした。
スープをコトコト煮込みながらソファーに目をやると
お腹を一生懸命にさすっている智にぃ。
そこまでの痛みじゃないけど、違和感みたいなものが
あるんだって言ってたから辛いんだろうね。
「ご飯食べよ〜」
智「ん、ありがと…」
食欲はあるみたいだから、そこは救い。
昼食後は服薬して、病院から留置したままにして
おいた点滴に、薬をつなぐ。
「眠くなかったら寝転んでるだけでもいいから、
休もうね」
智「…ん」
「俺も寝るから」
智「…ん」
和室に布団を敷いて休息モード。
2時間くらい経って、点滴が無くなるアラームが
鳴るまで俺は熟睡。
目が覚めた時、智にぃがトイレに入っていく音が
した。
少しずつ治ればいいな…と。
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
