3151.【智にぃの過敏性腸症候群】 ページ1
［翔にぃside］
ここ2.3日、ふと目をやると
智にぃがお腹に手を当てている気がする。
「お腹、調子悪い？」
智「…いや、別に…」
こっちから聞かないとね、絶対に自分からは言って
こないだろうから。
決め付けはよくないけどさ。笑
丁度みんながいないタイミングで聞き出そうと
思ったのに、素直にならないから双子がお風呂から
上がってきてしまった。
「あーあ…時間切れ。寝る前に診察ね。笑」
智「…んぅ」
サッと傍を離れる時に意地悪したら、途端に唇を
尖らせる。
ほんと長男か！？ってね。笑
可愛くて誰かさんにそっくり。
コンコンコン…
智「…」
「もしもーし…笑。入るよ？」
智「…」
みんなが寝静まってから智にぃの部屋をノックして
みたけど返答はなし。
寝てないくせに…
「ほーら、起きてるじゃん…」
智「んぅ…もう寝るもん…」
案の定、パソコンに向かって作業をしていた智にぃが
不機嫌な顔して振り返る。
「お腹、痛いんでしょ？もう隠せてないんだから
堪忍しちゃいなよ」
智「…」
「…っ、ちょっと！どこいくの？」
智「…トイレ」
黙って立ち上がって俺の前から去っていこうと
するから咄嗟に腕を掴んだらギロッと睨まれた。
トイレなら仕方ない。
「じゃあ、ここで待ってるからいってきて」
智「…」
でもね、無意識なんだろうけどトイレに向かおうと
しながらも、やっぱりお腹に手が伸びているん
だよね。
まぁ、診察してみないことには何ともいえないから
ベッドに座って、智にぃが戻ってくるのを大人しく
待つことにするけど。
素直に診せてくれたらいいんだけどね…
智「ねぇ…いつまでいんの？トイレいったら治った
から大丈夫…」
「…笑」
診せてくれない気みたい。
「ベッド寝転んで？…お腹診せて」
智「…やだ」
診せてくれない気なら、診せる気になるまで
こっちだって譲らないもんね。
「診せて？」「…やだ」って何度目かのやり取りの
末に…
「じゃあ、もういいよ。明日、病院ね」
智「…っ！ずるい！」
「知らない。先輩に頼んでおくから」
智「…っ、待って！…わかった、から…」
ベッドから立ち上がって部屋を出ていこうとしたら
勝ちました！笑
ちょっとずるいけど…心配だからごめんね。って
思いながら。
「ベッド寝転んで？」
智「…ん」
まだ少し厳しめの顔をキープしておく。
甘い顔するとまた嫌々言いだすからね。笑
「軽く触るから痛かったら教えてね？」
智「…ん」
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作者名：空
| 作成日時：2019年6月7日 19時
