3106.【翔にぃ、慢性呼吸不全】 ページ6
［翔にぃside］
季節の変わり目は辛い。
先週から道路の雪が全部溶けるくらい暖かい日が
続いていたのに、今日は雪がチラチラ。
これじゃあ、和だけじゃなくてみんなが体調崩して
しまうよ…って感じ。
外来も激混みだし、休憩がまともにとれない。
睡眠不足と疲労で、風邪をひいて。
そこから喘息も出始めしまって…
「…っ、けほっ…けほっ…」
先「あんま無理すんなよ？って言っても代わって
やる余裕なくて申し訳ないけど…笑」
「いえ、忙しいのはみんな同じですから」
医局で咳き込んでいたら先輩が心配してくれた。
先「薬で治らない時は言えよ？何としてでも休める
ようにしてやるから」
「…っ、けほっ…ありがとうございます」
頼もしいよね、ほんと。
今は吸入していれば何とかなってる。
昨日も仕事終わりでちゃんと処方箋もらって
新しい薬を手に入れたし。
って、この過信がよくなかったのかな。笑
喘息は日に日に悪化。
でも、忙しさも日に日に増していくばかりで
なかなか休みをくれとは言いづらい。
先「やっと気候が落ち着いてきたな。東京は桜が
満開なんだってよ？」
「いいですね、桜。こっちも待ち遠しい」
気候の落ち着きと共に、外来も落ち着いた。
でも、悪化した体調はそうはいかなくて…
どうしようかな…少し休養すれば何とかなるかな。
そんなことが頭の片隅に浮かんだまま数日間、
いつも通りの仕事をこなしていたら、もうね…
「…っ、けほっ…けほっ…」
智「大丈夫？…吸入器は？」
「…っ、けほっ…鞄、の中…」
呼吸が苦しくなって、玄関で倒れ込むくらいに
なってしまった。
智「もう…なんで無理すんのさ」
「…っ、んっ…ごめ、ん…」
智にぃに連れられて病院に逆戻り…
先「もう…」
「…すみません」
処置室では先輩が待っていてくれた。
先「喘息の発作もだけど、肺炎併発してる…」
「…っ、けほっ…すみませ、ん…」
先輩は聴診器を当てながら「すみませんじゃ、
済まないよ、もう…笑」って。
本気で心配してくれているのが分かって申し訳なく
なる。
先「一応、検査オーダーするけど入院は免れない
からな？」
「…はい」
先「落ち着くまで絶対安静な？」
「…はい」
ここまできたら、従うしかない。
とりあえず吸入して、酸素マスクつけて、採血して
レントゲン撮って…
先「肺炎確定ね。笑」
「…はい」
落ち込むよね…
智「また明日くるね？」
「…ん、ごめん」
寝てしまおう。笑
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
