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［翔にぃside］
智にぃと雅紀に
着替えさせてもらった和は、俺が部屋にいった時には
静かに寝息を立てていた。
目元がまだ少し濡れていて、泣いたんだろうな…って
いうのが分かる。
和の気持ちが落ち着いたら、智にぃからオムツ着用の
提案をしてもらおうかとも思ってるんだけど、
どうなのかな…
起こさないように、そっと布団に手を入れて聴診。
眠れているから大丈夫だとは思うけど、ここ最近の
不調を考えるとやっぱり心配で…
簡単な診察を済ませて、寝顔をしばらく見つめる。
まだ熱が高いし、倦怠感も半端ないだろうから
少し経てば目を覚ますと思う。
その時に傍にいてやりたくて…
持ち込んだ仕事をしながら、30分くらいベッド
サイドで過ごしていたら…
和「…ん、んん…」
「…かず？…起きた？」
体が辛いんだろう。
小さく唸り始めたから、そっと肩を叩いて声を
掛ける。
ゆっくりと目を開けた和だけど、俺と目が合って
ふっと視線を逸らしてきた。
まだ気にしてるのかな…
「かず…おはよう」
和「…ん」
そのことには触れずに頭を撫でて「体調どう？」とか
適当に話し掛ける。
次第にしっかりと目を合わせてくれるようになって
「トイレいきたい」って伝えてきた。
「ん、了解。ゆっくり体起こそうか」
和「…ん」
背中に手を入れて体を起こすのを手伝う。
熱い体にビックリする程…
「歩くの辛くない？大丈夫…？」
和「…ん、へいき…」
部屋を出てトイレに向かう途中で潤がきてくれて
「あとで部屋いくね」って声を掛けてくれた。
和をトイレに送って、ドアの前で待ちつつ
これからのことを考える。
今の状態はそんなに長くは続かないだろうから
和の気持ち最優先でいいのかな…とか。
でも、トイレの失敗が数回続けば、プライドが
傷付くし、俺らが思っているより精神的にダメージが
大きいことも考えられるな…とか。
和「…しょ、にぃ？…おわっ、た…」
「ん、ドア開けるな？」
和「…ん」
「ありがと…」って弱々しく笑う和を、これ以上
傷付けたくないし、悲しませたくはない。
ベッドに寝転んだ和はミッキーを抱き締めてから
「いっぱい失敗しちゃってごめんなさい…」って
呟いて、ポロポロ泣き始めた。
「いいんだよ、かず。体が辛い時は仕方ないだろ？」
和「…ん」
自分から話を切り出してきたから、オムツの話を
するなら今かな…と思って、智にぃに声を掛ける。
俺から話してもいいけど、やっぱり智にぃの方が
いい気がする。
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
