3131.【2】 ページ31
［雅にぃside］
体調を崩した和は
かなり辛そうにベッドでグッタリ。
トイレのことは翔にぃから聞いた。
精神的にもダメージあるだろうな…と思って、一人に
しないようには気を付けていたんだけど…
『眠れてるから大丈夫かな…』って、ちょっと
油断して部屋を出てしまったんだ。
トイレ済ませて5分くらいで戻ったんだけど…
和「…っ、んっ…んくっ…」
「ごめんな…かず。一人にして…」
部屋に戻った時には、ベッドに寝転んでポロポロと
泣く和の姿があった。
慌てて駆け寄って頭を撫でたり、胸元を撫でたり
してみるものの、なかなか落ち着かない。
「…どうしたの、かず？」
和「…っ、んっ…んくっ…んっ…」
「…ん？」
これ以上泣いてしまう前に誰かにフォローを頼もうと
コールボタンに手を伸ばしたら、微かに聞こえた
「…出ちゃった」って和の声。
そっか…
言いづらいよね、気が付いてやれなくてごめん…
そんな気持ちになる。
「ん、りょーかい。気にしなくていいよ。ちょっと
一人で待てる？」
和「…っ、ん…んくっ…違、う…」
「ん？…なに？」
コールボタンを押してバタバタとフォローが
来るより、俺が誰か一人を呼びにいった方が良いと
思ったんだけどね。
和は首を振りながら何かを訴えてくる。
布団を掴む手にギュッと力が入っていて、固く結んだ
口も小さく震えてる…
悔しそうな悲しそうな表情を見て思ったんだ。
「…もしかして、出ちゃったの、おしっこじゃない
ってこと？」
和「…」
「…ん？」
和「…ん」
俺の目を見ながらポロポロ涙を零していた和が
微かに頷いた。
「そっか、そっか。分かった。待っててね」
和「…ん」
そういえば翔にぃが「お腹も少し緩い」って、
言ってたもんな…
リビングでテレビを観ていた3人に事情を説明。
和のプライドもあるけど、この3人に隠しておいて
欲しいとは思ってはいないはずだから。
智「俺いこうかな。診察は？する？」
翔「着替えとか終えて、落ち着いてからでいいかな」
智「そっか。じゃあ、俺いってきていい？」
翔「ん、お願い」
「雅紀もいってやりな」って声を掛けられて
智にぃと一緒に和の部屋へ。
智「寒くない？布団捲って平気？」
和「…ん」
「…大丈夫だよ」
申し訳ないとか、情けないとか思っているんだろう。
真っ赤な目でジーっと見つめてくるから頭を撫でる。
「すぐ済むから。目、閉じてていいよ…」
和「…ん」
頷いた和はそっと目を閉じた。
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
