3113.【3】 ページ13
［翔にぃside］
もう…ほんとに、この人は！笑
「手出したら駄目でしょ！？」
智「んん…やるって言ってない…」
「やるの！俺が決めたの」
智「…やだよ」
恐いのと不安なのもあるんだと思うんだけどね、
ここまでグズグズ言われると対処が難しい…
スタッフ増やして強行突破してもいいけど、それは
もっと後になってからの最終手段かな…と。
「今、すごく苦しいでしょ？」
智「んん…苦しく、ない…」
「ここまで悪化させる前に相談してくれたら少しは
状況違ってたんだよ？ドレーンの処置だってしなくて
よかったかもしれないし」
智「…」
この状況であんまり叱りたくはないけどさ、こんな
ことになってるのは自業自得だって分かれば少しは
大人しくなるかな…と。笑
まぁ、俺も人のことは言えないんだけどね。
先「すぐ終わるから大丈夫だよ。ビックリするくらい
ラクになるから」
智「…んん」
苦笑いの俺を見て、先輩も優しく声を掛けてくれた。
先「痛かったら教えてね。麻酔追加できるからね」
智「…んん」
先輩に「…んん」って。笑
ドレーンを入れない側にまわって、智にぃの手を
握る。
智「んん…やだって、言ってる、のに…」
「ん、分かったよ…でもやるしかないんだよ…」
智「…やだ」
さっきまで目を合わせなかったくせに、今度は目を
バッチリ見つめてきて目を潤ませるから…
やりにくくてしょうがない。
これが作戦じゃないってところが、智にぃの
可愛いところなんだけどね。笑
先「消毒していくね〜…」
智「…っ…」
冷たさにビクッとして、進んでいく準備にビクビク
怯えている智にぃは少し可哀想…
先「麻酔するね。少し痛いけど…」
智「…っ、…ん…」
「顔こっち向けてて。見てると恐くなるよ」
智「…ん」
胸の位置で処置するから、それが見えてしまうのが
この処置の恐いところでもある。
智にぃの顔をそっと自分の方に向けて、肩をさする。
もちろん、抑制の意味で握った手は離さない。笑
先「ちょっと頑張るよー…」
智「…っ、んっ…んん…」
先「痛いねー…ごめんねー…」
激痛って程じゃないけど、なんとも言えない痛みは
あるし、場所が場所だけに…ね。
智「んん…」
先「もう終わるからねー…」
痛いのは可哀想だけど、こうして知っている先生に
処置してもらえる智にぃはラッキーだよね。
多少の泣き言も先輩だから言えることだもんね。
先「はい、おしまい。少し休憩ね」
智「んん…」
…もう。笑
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作者名：空
| 作成日時：2019年3月25日 20時
