5人で生きてゆく…part62 (ページ47)

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［雅にぃside］

和にも、学校に提示したのと
同じように、参加する条件をいくつかと、
不安とか心配事に対処する方法を伝える。

翔にぃが分かりやすくリストにまとめてくれた。

翔「まずはここな？一泊にするか二泊するか」

和「ん…どうしよう、かな…」

翔「もちろん、二泊って決めてても一泊で帰りたく
なったら帰ってくることもできるよ？」

和「…ん、そっか…」

色んなことを決めないといけないから、宿泊行事まで
少しずつ進めていくことにした。

和の気持ちも時々ブレて「やっぱり休もうかな…」
って
言い出す日もあったりして。

でも、宿泊行事の2週間くらい前からは一度も
「休もうかな」って口にすることはなくなった。

少しずつ少しずつ、安心が積み重なって、学校での
事前学習もあって、楽しみも増えて…

和の顔がイキイキし始めたのが分かるくらいに
なった。

数日前になって「いくんだな？」って翔にぃが
再確認した時も「うん！」って即答。

周りの友達と潤の存在も大きな安心に繋がって
いるんだと思う。

和のグループには、先生が一人付いてくれる。

話し合いにもきてくれていたリーダーの先生。

以前の宿泊行事でも、持病がある生徒の引率を
した経験があるベテラン先生。

和は好きみたいで「あの先生なら安心～」って
笑って喜んでいた。

特別扱いされるみたいになって、嫌がるかな…って
少し心配していたから、和の反応がよくて安心。

翔「先生の言うことは絶対だからな？」

和「はーい！」

智「翔先生だと思って、言うこと聞かなきゃ駄目
だかんな？笑」

和「んふふ…おっけ～！」

和は「翔先生より優しいもーん！笑」って茶化し
ながら、俺の背中にくっ付いてくる。

宿泊行事の前夜も、なんら変わることなくワチャ
ワチャした空間で過ごして。

智「明日6時起きだろ。もう寝たら？」

和潤「そうだね、そうするー！」

遠足の前夜みたいに楽しそうな双子は、揃って
和室で眠りについた。

「明日の朝、どうなるかね～…行くかな？」

翔「このまま行きそうかも」

智「そうだね。翔のお陰で体調バッチリだし、雅紀の
力でメンタルもバッチリだし～。笑」

「あひゃひゃ！楽しんでもらえたら嬉しいね」

翔「だな！」

和にとっては初めての宿泊行事になるし、
潤にとっても和と参加できるのは初めてになる。

双子にとって良い思い出として残ってくれたら…って
俺ら兄としては思う。

その夜はそう願いながら、俺らも早めに就寝した。