3085.【2】 ページ35
［翔にぃside］
自宅まですぐだけど
雅紀は少しも歩けそうにないから…
「ごめんね、智にぃ…」
智「いえいえ。ほら、寒いから乗っちゃいな？」
「ん、ありがと…」
智にぃに車で迎えにきてもらった。
骨折はしていないと思うけど、念のため病院へ。
もうすぐ双子が帰宅するし、アイスも溶けちゃうから
運転を家の前でバトンタッチして、智にぃには
家で待っていてもらうことにした。
智にぃを家の前で降ろして、病院に向かって車を
走らせる。
「ごめんな、雅紀。痛かっただろ？」
雅「いや、大丈夫。ビックリしたけどね。笑」
俺なんて、自転車が突っ込んでくることに気が付いて
すらいなかったからね。
雅紀に庇ってもらえずに、まともに突っ込まれて
いたら、ひっくり返って頭を打っていたかも…
「ありがとな。助かった」
雅「うんうん、よかったよ。怪我しなくて」
ニカッと笑ってくれて。
ほんと優しい奴なんだよな。
病院に着いてからレントゲンを撮って、専門医にも
診てもらったけど、骨折はしていなかった。
雅紀は「よかったぁ〜」って、これまた明るい声で
笑いながら言ってくれて…
俺のせいで痛い思いさせたのにって、申し訳なく
思う。
［雅にぃside］
病院からの帰りの車の中でも、翔にぃはあんまり
元気がなかった。
咄嗟に翔にぃのことを庇ってしまったけど、もう少し
慎重になったらよかったのかな…
俺って、ついつい後先考えずに動いてしまうから。
逆に翔にぃに申し訳なさを感じさせてしまう結果に
なってしまったのかな…
翔「…ただいま」
「ただーいまー」
玄関のドアを開けたら「おかえりー！大丈夫？」って
駆け寄ってきた双子。
こいつらにまで心配は掛けられないなって思って…
「大丈夫。骨折もしてないし、もう痛くないよ〜」
和「んふふ…よかった！」
潤「コート掛けてあげる！貸して？」
「ん、ありがとう」
明るく返したら、双子の顔もパッと笑顔になった。
それを見ていた智にぃが「ありがと…」って、優しく
笑う。
こうやって明るく振る舞えば、翔にぃにも気を
遣わせずに済むのかなぁ〜って思って。
自分が少しくらい無理をすることになったって
俺はみんなが笑ってくれている方が嬉しい。
だから俺は、みんなの前では痛みを我慢することに
した。
「大丈夫、もう痛くないから」って。
無理してスタスタ歩いて見せたり、笑っているように
したんだ。
もちろん捻挫した足首はズキッと痛んだけど…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3889人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2019年2月2日 19時
