3074.【虫垂炎…でもみんなの為に】 ページ24
［和side］
我が家は今、
すごく珍しい状況。
俺だけ元気で、他の4人が風邪で寝込んでるの。
「お前も感染るから」って言われたけど、多分ね
大丈夫。
だって少し前に風邪引いて治したし、インフルエンザ
もかかり終わってるし。
これだけ免疫あれば、大丈夫なんじゃない？笑
不思議と自信があって、心配してくれるみんなに
「大丈夫」って言い張って、張り切って看病した。
いつもの恩返しがしたかったから。
和室でみんなが寝ているから、まとめて看病できて
そんなに大変じゃないし。
俺がいつ体調崩してもいいように日頃から、スポーツ
ドリンクとかフルーツ缶とゼリーとか、レトルトの
おかゆとか常備してあるしね。
順調に看病できていたんだけど…
「…いてて、痛っ…」
一人ゆっくり風呂に浸かった時に、お腹に痛みが…
経験したことない感じの鋭い痛みで、一瞬ドキッと
したけど、しばらくしたら痛みの波が引いてきた。
せっかくここまで順調だし、今はみんなの役に
立ちたい。
その思いが強かったから、相談しなきゃとかは
思わなかった。
「なに飲む？これでいい？」
智「…ん、ありがと…」
風呂から上がって和室を覗いたら、智にぃが起きて
いたから、水分補給を勧めてみる。
俺から受け取ったスポーツドリンクを飲みながら
「お、もう風呂済ませたのか」ってフニャッと
優しく笑う智にぃ。
風呂前に翔にぃに体調チェックをしてもらった時は
寝ていたから、知らなかったんだよね。
智「ちゃんと髪の毛乾かせよ？」
「ん、今から乾かしてくるね！」
心配掛けたままでは悪いから、できることは先に
済ませてしまおうと思って。
洗面所で髪の毛をしっかり乾かす。
この時も、動いたらお腹がズキッと痛んで…
なんなんだよ、もう。
邪魔するなよ…
せっかく良い調子なのに…って。
まさかさ、盲腸になっているなんて考えもしなかった
から。
痛みを我慢していれば、そのうち治ると思って
いたんだ。
「お粥温めたよ〜」
みんな分の夕食。
お粥を温めて和室に運べば、みんなが口々に
『ありがとう』って、笑顔になってくれる。
それが嬉しかったから。
「りんご切ってくるね、待ってて？」
いつも自分がしてもらっているように…
みんなの為に動きたい。
冷えピタを替えたり、体温計を渡したりと何だかんだ
動いているとお腹の痛みも我慢できた。
翔「夜だけは部屋でゆっくり休んで…な？」
「ん、分かった」
自分の部屋で眠りについた。
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作者名：空
| 作成日時：2019年2月2日 19時
