3072.【4】 ページ22
［翔にぃside］
なんとなく気になって
早めに潤の部屋を覗いてみて正解だった。
意識を朦朧とさせて「痛い…」って繰り返す潤が
ベッドの上にいて…
熱を計ったり、軽く診察をして思い浮かぶ病名が
ある。
傷口がかなり前から膿んでいて、そこから菌が入って
いたとしたら…
智「…細菌性髄膜炎！？」
「その可能性が高い…」
お弁当の準備をしてくれていた智にぃに伝えて、
雅紀を起こして状況を説明。
雅「気を付けてね。和のこと乗せてくから」
「ん、頼むな」
和の朝の体調チェックがあるから、雅紀には残って
もらうことにした。
学校前に、病院に寄ってくれるって。
病院ですぐに髄液の検査なんだけど、先輩は当直では
なかったから不在で、後輩に頼むことに…
「ごめん、検査頼んでもいい？傍にいてやりたい」
後「もちろんです。任せてください」
ニカッと笑顔を見せてくれる後輩の存在が、今は
すごく頼もしい。
俺が指導医したこともある奴で、しっかり者。
こいつになら、大事な潤のことも任せられる。
「…潤？ちょっと痛くて辛い検査だけど頑張ろうな」
潤「…っ、ん…痛いの、やだ、…ん、ん…」
「ん、嫌だよな…でも必要な検査だから」
さっきまで、ほとんど意識朦朧としている状態
だったけど、身の危険は感じるみたい。笑
体を捩ろうと動いてしまうから、智にぃにも抑制を
手伝ってもらう。
俺は顔が見えるところにしゃがみ込んで、声を
掛けることにギリギリまで専念する。
後「準備できました。お願いします」
「ん、頼むな。潤？これから、ちょっと頑張る
からな？」
潤「…ん、んん…ん〜…」
消毒も済んで準備が整ったみたい。
嫌がってるけど、上手いこと抑え込んで背中を丸め
させる。
苦痛が大きい検査だけど、必要性と手順は説明
したから、潤なら理解してくれていると思う。
潤「ん…んん…」
「ん、痛いよな…少しだけ我慢して…」
潤「ん〜…んん…」
臍を見るぐらい体を丸められて、抑制されてるから
体勢もキツイし、さらに痛みもあるしで…
潤「…っ、ん…んくっ…」
「頑張れ…もう終わるから。な？」
検査が終わる頃には泣き出してしまった。
後「細菌性で間違いなさそうですね…」
「…やっぱり。ありがとう」
採取した髄液は白く濁っていて、細菌性の髄膜炎だと
判明。
潤「ん〜…離し、て…っ、んくっ…」
「止血の為でもあるから。な？仰向けで我慢」
潤「ん〜…んくっ…ばかっ…」
検査後もグズグズ…
珍しい。笑
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作者名：空
| 作成日時：2019年2月2日 19時
