3071.【3】 ページ21
［翔にぃside］
今朝の微熱っぽい
怠そうな顔と、歩き方が気になるって情報は
すぐには一致しなかったんだけど…
「ちょっと見てこようかな…」
智「ん、お願いしていい？」
心配になったから、風呂場で声を掛けてみようかと。
いきなり乱入すると怒りそうだから…笑
トントントン…
「じゅーん？入っていい？」って声を掛けてみた。
でも返答は「えー、もう出るよ…」で、乗り気では
なく。
潤はまどろっこしいことが嫌いだからね、逆に
不機嫌になったりする。笑
だからここはストレートに…
「足、痛いの？」ってドア越しに聞いてみた。
しばらくの沈黙の後…
「…うん」って。
それからすぐにガチャッとドアが開いて目の前に
潤。笑
「バスタオルとって？」って。
ドアを開けたまま洗い場で体を拭き始めて、腰に
タオルを巻き付けた潤は「ここ、治らなかった」って
俺に向かって膝を見せてきた。
「…あぁ」
正直な言葉は「あーあ…」
でも、そんなこと言ったら不安を煽りそうだし
慌てて抑えたよね。笑
足を痛がってる原因はこれで間違いないだろう。
「着替えたらソファー座ってちゃんと診せて？」
潤「…ん」
渋々って感じだけど、頷いた潤をおいて先に
リビングに戻る。
3人に先に状況を伝えておけば、今後スムーズかなと
思って。
［潤side］
翔「いつからこんな膿んでんの？」
「…」
翔「潤？」
「…」
ソファーに座ったら、翔にぃがラグに座って正面から
尋問してくる…笑
傷口を消毒されながらだから痛いけど、それより今は
翔にぃが怖くてそれどころではない。笑
黙りは通用しないかなって思ったけど、手当を終えた
翔にぃは「まぁ、いいや。今回は俺も油断してたし」
って。
「もう怒らないから心配すんな！」って頭を優しく
ポンポンとしてくれたから、ホッとした。
しばらくは、また消毒してもらわないといけないけど
これでやっと治るんだなぁ…って安心もあって。
就寝前にみんなに向かって「ごめんなさい」も
言えて、俺的には満足。笑
体の怠さと微熱のことなんかすっかり忘れて
ベッドに潜り込んだ。
ここ数日の不安だった気持ちもスッカリ消えていた
からグッスリだろうなと思ってたんだ。
それなのに…
「…ん、んんー…んん…」
夜中に堪え難いほどの頭痛に襲われた。
意識が朦朧とするほどの痛み…
なんで…どうして…
不安でいっぱいだけど、動かない体でどうすることも
できなくて。
そのまま意識を失ったみたい。
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作者名：空
| 作成日時：2019年2月2日 19時
