5人で生きてゆく…part62 (ページ3)

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［雅にぃside］

体調不良のことも含めて
伝えるために、翔にぃが学校に電話をしてくれた。

和も学校で担任の先生と話をしたりして協力して
くれたみたい。

「潤は自分に厳しすぎるからね…」って、心配そうに
しながら呟く和の横顔が切なかった。

と同時に、いつもはそう見えないけど、やっぱり
和は潤のお兄ちゃんなんだな…って思ったりも
して。笑

翔「保健室に登校してみたらどうかなって
相談したんだけど、どう思う？」

潤「…ん、分かんない…」

今は『学校に行かなきゃ』ってプレッシャーと
『学校に行けなかった』って自分を責める気持ちと
『授業についていけない』っていう不安を、
取り除いてやることを優先しようってことに。

夕食後にみんなでソファーの方に移動して、話を
始めたら、潤は途端に不安顔。

保健室登校が、自分にとっていいのかどうか
潤自身にも分からないんだろうね。

翔「とりあえず、明日行ってみるか？」

潤「…ん」

翔「無理しなくてもいいよ？」

潤「…ん、でも、行けたら行ってみる…」

翔「ん、そうしよう」

潤は翌日、他の生徒と少し登校時間をずらして
保健室登校に挑戦した。

まずは午前中だけ。

どうかな…上手くいくかな…

［潤side］

保「おはよう、潤くん」

「…おはようございます」

校門まで智にぃに送ってもらって、保健室のドアを
開けた。

保「ここどうぞ、座ってね」

「…はい」

保健室に置いてある6人掛けくらいの大きいテーブルの
端っこに案内してくれた先生。

和のこともあって、保健室には割と来ることが多い
から顔見知りだけど…

それでもこうやって、自分のことで来るのはドキドキ
する。

保「ここでは、好きなように過ごしてもらえれば
いいからね。勉強したかったらすればいいし、
ちょっと一人で休みたいな…って時は、あのベッドを
使ってね」

「…はい」

保「潤くんが勉強したいって時は、数学の先生も
来てくれるからね。教えてもらおうね」

「…ここに？…来てくれるんですか？」

保「そうだよ。潤くんが分からないところ、先生に
聞いてみたらいいと思う。授業がない時間に
来てくれるって言ってたから」

そっか…そんなことまでしてもらえるんだ…

それを知れたら、なんだか少し安心した。

保健の先生は終始優しい笑顔を浮かべていて、
俺が不安そうな表情を浮かべる度に「大丈夫」って
声を掛けてくれた。

保健室が、今の俺にとっては安心できる環境なんだ…
って、そう感じた。