3051.【潤の保健室登校】 ページ1
［潤side］
インフルエンザで1週間
学校を休んだら、数学の授業がかなり進んでしまって
いた。
しかもそれが苦手な分野だったから焦りが…
こんな時に限って、他の教科の先生が欠勤だからと
数学が2コマになったりして。
分からないところに、さらに分からないことが…
全く理解できずに、授業を受けて家に帰ってきたけど
翔にぃは当直で仕事に行ってしまうし。
和は体調不良で欠席していて授業の内容を知らない
から聞けないし…
気持ちばかりが焦ってしまって…どうしよう、
どうしよう…って。
もう負の連鎖。
「翔にぃ…数学分かんなくて…ここ教えて？」
翔「ん、もちろん。おいで」
やっと翔にぃに教えてもらえた時には、すでに
かなり置いてきぼりになってからだった。
焦りの気持ちがあるからなのか、翔にぃが教えて
くれても、いつもみたいにすぐに理解ができない。
翔「今日はここまでにしておこうか。また明日、
時間あるから教えてやる。な？」
「ん、わかった。ありがと…おやすみ」
0時前になって部屋に戻ったけど、不安になるのは
明日の授業のこと。
また、置いてきぼりになるんじゃないか…
このまま分からないんじゃないか…
そんな不安が頭に浮かんできて、学校を休みたく
なるけど。
もっと置いていかれる気がして、休むのも怖い…
［翔にぃside］
珍しく勉強に躓いている様子の潤。
3日連続で0時前まで教えているけど、理解しきれて
いないのか、焦りの気持ちが強く出ている気がする。
基礎の部分が分かっていないのかな…って思って
声を掛けてみるけど、潤的には『先に進みたい』って
気持ちが前に前に出てきてしまうみたいで…
「続きは明日にしようか。疲れただろ？」
潤「…ん」
一度は頷いて教科書を閉じた潤だったけど…
「明日も数学ある…」って呟いてから「ついていけ
ない…」って俯いて唇をギュッと噛んだ。
「そっか、なら…もう少しやろうか」
潤「…っ、でも…」
0時まで、まだ30分くらいはあるから…って思ったん
だけど、潤は「それでも追いつけない」って
言いながら呼吸が乱れてきて…
「…潤？大丈夫だから、深呼吸して。な？」
潤「…っ、んっ…ん…んっ…」
そのまま過呼吸に陥ってしまった。
背中をさすって声を掛けながら、呼吸法を伝えて
落ち着くのを待つ。
智にぃに電話したら、すぐに駆けつけてくれた。
「辛くなっちゃったか」って言いながら、何度も頭を
撫でてあげてる智にぃ。
ほんと、落ち着く声…
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作者名：空
| 作成日時：2019年2月2日 19時
