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［雅にぃside］
「まだ出れない？」
智「…ん、まだ無理そう」
「そっか…辛いね」
みんなで胃腸炎になって。
一番重症化してしまったのは、みんなの看病をしてくれていた翔にぃだった。
トイレにこもって嘔吐と闘ってる。
「智にぃ代わるよ？俺、ここで待ってるから」
智「…いい？なんかあったら呼んでね…」
「ん、わかった」
智にぃもまだ体調が悪い。
だから順番こで、ね。
トイレの中の翔にぃに何度か声を掛けながら、
待つこと10分くらい。
翔「…っ、ごめ…。待っててくれた、の？」
「うわっ…真っ青…」
まさに顔色真っ青って言葉がピッタリなくらい
顔色の悪い翔にぃがトイレから出てきた。
「支えるから、頑張って布団まで戻ろうね…」
翔「…ごめ、ん…」
力なく肩に回された腕。
腰を支えながら歩く。
そんな辛い状態なのに「雅紀もまだ熱いな…」って
俺の心配をしてくれて。
「俺は大丈夫だよ。翔にぃが看病してくれたお陰」
翔「そうは見えねーけど…笑」
人の顔色を心配してる場合じゃないってのに…
和「…大丈夫？」
潤「…平気？」
和室までたどり着いたら、双子も心配して
起き上がってきた。
和なんて「翔にぃが具合悪いの知らなくて、我儘
言ってごめんね…？」ってスリスリしながら
謝ってる。笑
翔「和も潤もちょっと熱下がってきたな。顔色も
いいし。よかった…でももう少し休めよ？」
和潤「…ん」
翔「そんな顔しねーの。…大丈夫だから」
双子の頭を交互に撫でて「みんなで寝よう？」って
翔にぃ。
さっきまでの辛そうな表情は消えている。
さすが、お兄ちゃんだなぁ…と。
みんなで少しだけ眠ったけれど、唸り声で目が
覚める。
翔「…ん、んん…」
智「お腹痛いの？湯たんぽ抱っこする？」
翔「…ん、ん。ん…」
翔にぃが腹痛で苦しんでるみたい。
「待ってて。今湯たんぽ持ってくるから」
智「汗すごいね…少し拭こうね」
まだまだ翔にぃの体は熱いから、冷たいタオルを
用意する。
智にぃが「看病してくれてありがとうね」って
優しく声を掛けながら、顔の汗を拭いてあげて。
「これ抱っこしてね」
翔「…ん」
湯たんぽを布団の中に入れる。
翔「…ん、んん…痛い…」
智「さすろうね…」
智にぃが優しくお腹まわりをさすっていたら
次第に唸る声が小さくなってきて…
智「…寝れたね」
「…よかった」
翔にぃが元気になるまで、今度はみんなで看病を
して恩返しするからね。
ゆっくりでいいよ…
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
