2764.【5】 ページ14
［智にぃside］
耳鼻科の先生が
診てくれている間、和はずっと「んー…」とか
「んん…」って唸ってて。
「もう少しね…」
翔「あと少し我慢して…」
手も出そうとモゾモゾ動くし、顔も逃げようと
動かすから、俺らがしっかり抑えておいて。笑
耳「よし、いいよ。治療はすぐ終わっちゃうし
痛くないから安心してね」
和「やだっ…」
診察が終わった途端に手で鼻を隠して御立腹。
先生が「麻酔の脱脂綿入れておこうね〜」って
言ってるのにギューッと目を閉じて、鼻も隠した
まま無視して。
翔「かず？」
和「…」
翔「かーず…？」
和「…」
翔が優しく頭を撫でながら「痛くないし、恐くも
ないんだよ」って説得を続ける。
そしたら「やぁだ…」って言いながら手を伸ばして
翔の手を掴んだ。
翔「ん？…恐い？」
和「やだ…」
翔「何が嫌？」
和「やだ…ぜんぶ」
翔がしっかり和の手を握ってあげても、和は
グズグズと駄々を捏ねる。
耳「ベッドのままでいいよ。麻酔だけしちゃ
おっか」
和「ん〜…んん…」
翔「大丈夫。やってもらおう？」
和が翔の手を握っているから、その隙に脱脂綿を
鼻へ。
耳「…ごめんね〜」
和「ん〜…」
翔「はは！もう終わり」
怒ってずり落ちてきた体を、そのままベッドに
寝かせた状態にしてしまう。
俺はベッドに座ったままだし、和の頭を膝で挟んで
固定役かな。
耳「麻酔効くまで5分くらいゆっくりしててね」
和「…やんないもん」
ご機嫌ななめ。
それでも5分なんてあっという間で…
和「やだぁ〜…離してぇ…、離せー！」
翔「だーめ」
和が鼻を隠すより前に、翔が手をお腹の上で抑え
込んだら叫ぶ叫ぶ。笑
翔「恐いことないから。な？」
和「やだー」
翔「こーら、叫ぶな。うるさい…笑」
「…かーず、痛くないんだよ？」
和「知ってるもん…」
「だったら頑張ろう？」
和「やだ…」
このままじゃ平行線だから、翔が先生にパッと
合図してくれた。
耳「よし、頑張っちゃおうか」
和「ん〜…」
優しく笑った先生が「少しでも痛みがあったら
教えてね〜」って言いながら処置を始める。
和「ん〜…ん…」
翔「大丈夫、だいじょうぶ…」
「えらいね、かず。頑張れてるよ〜…」
嫌がる和を翔と2人で宥めながら、顔と体は
動かないようにしっかり抑えて。
和「んん…や…」
耳「ごめんね、もう少しね」
レーザーで焼いてもらうだけだから、あっという
間に処置は終わり。
「むぅ…」って拗ねてる和を車へ。笑
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年11月17日 22時
