2746.【4】 ページ46
［翔にぃside］
潤「持てない…」
智「食べさせてあげるよ、大丈夫」
潤「やだ…」
智「じゃあ、後で食べる？」
潤「…」
夕食の時間、潤は力が入らなくて箸が持てなく
なったみたい。
脱力の症状も一時的にやってくるんだ…
斜め横に座った智にぃがフォローしようとしたけど
潤はお気に召さないらしく、いつもの和みたいに
ブゥたれて答えない。笑
食卓の向かい側にいる雅紀と和は、チラチラと
気にしながらも、いつも通りにワチャワチャして
明るい雰囲気を保ってくれてる。
少し様子見ようか…って智にぃと目で合図し合って
食事をしようとしたら、潤がいきなり立ち
上がろうとして…
ガタンッ…
「危なっ…。潤？今は無理だろ…」
潤「ん〜…」
テーブルに手を付いて立ち上がろうとしたみたい
だけど、腕にも足にも力が入っていない状態で
そんなのは無謀で。
「立ちたいの？リビング？」
潤「…」
なぜかギロッと睨んできたけど…笑。
微かに頷いたから支えてソファーに移動する。
「俺、後で潤と食べるわ」
智「りょーかい」
向こうでは3人にワチャワチャしててもらった方が
潤もリラックスできるからね。
潤「ん〜…」
「怒んないの。笑」
潤「んぅ…」
「はは！かしてみ？」
動かない腕にイライラしてるから、腕を掴んで
俺の膝の上にのせて、マッサージしてやる。
焦ったり、不安になっていると回復に時間が
かかってしまう。
リラックスして、忘れるくらいの方が良いらしい
んだ。
なかなか難しいけどね。
しばらくしたら気持ちが落ち着いてきたのか
コテッと肩に頭をのせてきた。
潤「…ん、ありがと…」
「よしよし…笑」
マッサージを続けながら潤の不安な気持ちに少し
でも寄り添えるようにする。
みんながそんな風な気持ちで、潤との時間を過ごしているんだ。
その甲斐があったのかな…
潤「行こっかな、学校…」
和「ほんと？」
潤「…ん」
登校出来るようになるまでには、かなりの時間が
かかったけれど、自分から『行く』って言葉が
出るようになったのは、進んでる証拠。
潤「へいき、だよね？」
雅「大丈夫だよ！翔にぃがコテンパにやっつけた
から。笑」
「コテンパにはやってねーよ！笑」
和「翔にぃ、こわっ…笑」
智「んふふ…」
久しぶりに潤が「くはは！」って大笑いして。
それからみんなに『ありがとう』って。
珍しく和に「学校で助けてね」って弟らしく
甘えていて。
いいんだよ、それで。
可愛いなと思う。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
