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［智にぃside］
とりあえず翌日は
学校に欠席の連絡を入れた。
潤は安堵感と、恐怖で精神的にかなり不安定で。
「和のことも学校に行かせないで！」って朝から
泣きじゃくった。
和「大丈夫だからね、潤。智にぃが電話して
くれたから、俺も休むから。ね？」
潤「…っ、んっ、んくっ…」
暴力問題は翔と雅紀に任せて、俺は家から
離れないようにして。
数日を過ごす。
だけど潤は、ストレスからくる色んな症状に
苦しめられている。
潤「…っ、聴こえない、よ…」
和「大丈夫、だいじょうぶ…」
どれも一時的なものなんだけど、大きな不安と
恐怖を抱えている潤にとっては大きな弊害に
なってしまって…
潤「ぎゃー」
和「どうしたの？」
食後に、リビングで並んでテレビを観ていた潤が
突然パニックに。
みんなで慌てて駆け寄ったら「見えないー」って。
翔「大丈夫、いるから。な？」
潤「…っ、んくっ、やだっ…やだ…」
翔「大丈夫…」
翔がしっかり抱きしめて、優しく背中をさする。
みんなで声を掛けていたら、パニックからは
抜け出せたみたい。
でも「こわいよ…」って。
翔の腕の中でカタカタ震えてる…
和「じゅん、大丈夫だよ。みんないるし、潤の
お陰で俺だって無事なんだから。ね？」
潤「…ん、んっ、…ん…」
和が潤の頭を撫でながら優しい言葉を掛ける。
暴力を振るった男の子は、受験でイライラしている
のもあって、荒れていたらしい。
翔がしっかり「しめておいたから。笑」って。
雅紀も「まだ子どもだもん。根はいい子だよ、
きっと」って笑っていた。
だからね、きっともう大丈夫。
あとは潤が受けた心の傷が癒えてくれたら…
翔「潤？ゆっくり、目開けてごらん？」
潤「…っ、んくっ、やだ…やだっ…」
翔「…大丈夫。見えるから…な？」
潤「…ん、ん…」
翔「じゅん？…信じて」
目をギュッと閉じた潤の顔を、翔は優しく両手で
包み込む。
潤はポロポロって新しい涙を零したけれど、
ゆっくりと目を開けた。
翔「な？…見えるだろ？」
潤「ん、んくっ…翔にぃ…」
症状が現れるのは短時間だから、大丈夫って
信じて落ち着けば次第におさまる。
その時間がどんどん短くなっていくはずだと
カウンセラーに言われてるんだ。
潤「…っ、ん…んな、いてくれた、の？」
「そうだよ、潤。みんな傍にいたよ」
潤「…っ、んくっ…感じ、た…」
「んふふ…よかった」
こうやって少しずつでいい。
安心を感じてくれたらって思うんだ。
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
