2741.【5】 ページ41
［和side］
悔しくって…
『病気のせい』
『みんなといっしょに、したいのに』
そんなことを言いながら、いっぱい泣いて
しまった…
だってみんなは当たり前に出来てるのに
俺は何にも出来ない。
雅「ん、悔しいね…」
「…っ、んっ…」
なかなか落ち着けなかったけど、雅にぃは
根気強く胸元をさすってくれて。
「元気分けて欲しい時は言いな？分けてやる」
なんて言いながら明るく笑う。
ほんとに分けてくれるつもりなんだと思う。
そんなことできこっないけど、雅にぃの言葉になら
頷ける。
だけど、すぐには気持ちが切り替えられないから…
雅「ずっとこの体勢ってわけにもいかないし、
少し寝よっか」
「…ひとりに、して、ほしい」
雅「ん、分かった。あらし連れてくるね」
「…ん」
みんなが心配してくれて、優しくしてくれて…
それなのに、その気持ちをちゃんと受けとれない
自分はちょっと嫌い。
傍にいてくれたみんなが和室から出ていって
代わりにあらしがトコトコトコ…って歩いてきて。
翔「襖、少し開けておくからな…？」
「…ん」
布団を捲ったら、あらしが潜ってきたから
腕枕をして一緒に眠ろう…
ウトウトしたところで、いつの間にか頭の痛さも、
体の怠さも消えていることに気が付いて
『点滴のお陰か…』って。
悔しいけど、やっぱり薬の力ってすごいんだな…
俺の体には薬が必要。
みんなと同じようにしたいなら尚更だ…
そんなことを考えながら眠りに落ちた。
翌朝は「じゃあね、和ちゃん！いってくるね！」
って騒がしい声がして目を開けたら、雅にぃが
ワシャワシャっと頭を撫でてくれていて。
翔「まーさ、起こすなよ？」
雅「あひゃひゃ！もう手遅れ！起きちゃった〜」
リビングからの翔にぃの忠告に、大声で笑うもん
だから…
「ばかっ…頭に響くわ…笑」
雅「…っいて！」
思いっきり膝を叩いてやった。笑
潤「起きたなら、俺もいってきますするー！」
翔「はは！」
潤がバタバタ和室に駆け込んできて、またまた
頭に響く。笑
お兄ちゃんみたいな顔して「おはよう、和。
学校行ってくるね」ってほっぺに触れてきて。
「んぅ…おれがお兄ちゃんだも、ん…」
潤「くはっ！知ってるよ？笑」
「ほんとかよ…笑。…んなに、よろしく。
またしばらく、行けないから…」
潤「ん、分かった。寄り道しないで帰って
くるからな？」
潤もワシャワシャっと頭を撫でてくれた。
雅にぃも潤も、自然な優しさをくれるんだ…
いつもそう。
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作者名：空
| 作成日時：2017年10月3日 22時
