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［翔にぃside］
最近、智にぃが
忙しそうだなとは思ってた。
でも充実してるのは良いことだし、応援する
気持ちでいたんだけどね。
なんだろう…
向かいに座って夕食を食べる彼に違和感。
みんなと会話しながら見ていると、だんだんと
分かってきた。
微かに顔を歪める時がある。
フォークを持ちにくそうにしてる。
そのくせフォークを手放さずに、ご飯もフォークで
食べている。
俺らにはフォークと箸が用意されていたのに、
智にぃのテーブル前には箸は置かれていなくって。
最初から使う気がなかったってことだ。
いや…使えないのかな？
色々考えながら観察を続けていたら、誤魔化し
笑いをした智にぃとバチッと目が合って。
智「…っ…」
慌てて逸らされた。笑
もうそれが物語ってるよね。
ってことで、食事後にソファーに連行。
「なに隠してんの？」
智「…別に、なんにも…」
「嘘だぁ。笑」
智「ほんとだもん…」
立ち上がって逃げようとしたから慌てて腕を
掴んだら「んぅ…離してよ…」って。
そっくり過ぎて、和かと思っちゃったよ。笑
でもね、咄嗟に右手を隠そうとしたから
やっぱり右手に何かがある。
そう確信した。
「右手、見せて？」
智「…やだ」
「なんで？笑」
智「なんでも…」
って、子どもか！
そう突っ込みたくなるくらい、こういう時の
智にぃって可愛い。
「見せて？」
智「なんで？」
「怪しいから。笑」
智「何もないもん…」
「何もないなら見せれるでしょ？」
智「んん…」
「とりあえず、もう一回座って？」
ちょっと無理矢理だけど、もう一度ソファーに
座ってもらう。
もしも、何かが原因で箸を持てない何かが
あるなら、ちゃんと知りたい。
智にぃだって一人で悩んで不安になっていると
思うから…
「見せて。ね？相談できないこと？」
智「ん…んん…」
「一人で悩むの疲れるでしょ？」
智「…ん」
「見せて？」
智「…ん」
ゆっくり差し出された右手を掴めば「痛いとこ
触らないで…？」って不安そうな顔。
「ん、分かった。痛いところ触らないから、
どこか教えて？」
智「…ん、ここ…」
「あー、ここか。痛かったね…」
結構膨れちゃってる…
確かにこれじゃあ、痛くて握ったり出来ない
だろうなって。
それに目を潤ませながら不安そうな顔する
智にぃ見たら、心も疲れちゃってるんだろうな…
ってそう思ったから。
「後で部屋でゆっくり診せて？」って伝えた。
2人だけで、ゆっくり…ね。
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
