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［先輩side］
出勤してミーティングを
終えたら「診察室で智にぃが待ってるんです」
って翔くん。
外来の時間までに間に合わせないといけないから
バタバタと走っていく。
せっかくだから智くんに会っておきたくて
俺も走る。笑
「うわ…思ったより重症だな…」
翔「そうなんですよ…」
診察室のベッドではタオルケットを掛けた智くんが
グッタリ。
肩で大きく息をしている。
翔くんは丁寧に診察しながら、今朝からのことを
話してくれて。
翔「午後から仕事させてあげたいんで、
解熱剤打とうかと…」
「それがいいかもな…」
本来なら無理矢理に熱を下げるのは、あまり良い
方法ではないけれど。
大人になれば、そうしなければならない日もある。
「準備するよ」
翔「すみません、ありがとうございます」
薬剤の指示をもらって準備する。
その間に、翔くんは診察台の上で智くんを
うつ伏せに寝かせ直す。
智くんは動くのが怠くて仕方ないんだろうね…
「んん…」とか「やぁだ…」とかボソボソと
文句を言っている。
解熱剤を入れた注射器を2本、ステンレスの
容器に入れて翔くんに手渡す。
イケめた顔して「ありがとうございます」って。笑
翔「…智にぃ？熱下げるために注射するからね？」
智「んん…」
いつもの何倍もフニャフニャとした返事。
まだよく分かっていないんだろう。
その証拠に、翔くんがサッとズボンとパンツを
ずらしたら「なにするのぉ…」ってお怒り気味。
俺は、クネクネと動かす腰を軽く支える程度に
抑える。
翔「ちょっと痛いけど、すぐ済むから我慢してね」
智「…ん」
何をされるかが分かって怯えるような短い返事に
可哀想な気がしてくるけれど…
翔「はい、頑張ってー…」
翔くんは躊躇うことなくサッとお尻を消毒して
注射針を刺した。笑
智「んっ…」
小さな悲鳴の後「ん〜…痛い〜」って。
痛いのはよく分かる。
でも、薬を入れる時の焼けつくような痛みは
どうにもならないんだよね…
翔「もう終わるよ〜」
智「んん…」
それにしても、智くんの体あっついな…
翔「終わり〜」
「揉んでおくよ」
翔「ありがとうございます」
脱脂綿を受け取って、穿刺痕を揉み揉み。
ちょっと痛がってるけど、表情はホッとしてる。
そこに2本目ね…笑
これまたサッと消毒した翔くんは「2本目
いきまーす」って。
終わりだと思っていた智くんからは「なんでぇ…」
ってもちろん抗議の声。
でも翔くんはプスッと…
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作者名：空
| 作成日時：2017年9月3日 16時
