2591.【4】 ページ41
［翔にぃside］
縋ってきた2人を
一度ギュッと抱き締める。
和「…っ、んくっ、ど…しよう…」
潤「…っん、んくっ…めんな、さ…」
「大丈夫。雅紀のこと診たいから、ソファーで
待っててくれるか？」
背中をさすりながら、ゆっくり問い掛けたら
2人ともコクン…と頷いてくれた。
いい子だ。笑
和と潤の手を引いてソファーに座らせて
雅紀の元へ。
双子に縋られながらも、呼吸と脈は確認できて
いて、特に問題はなさそうだったから…
「…まさ？まさき？」
声を掛けながら肩の辺りを軽く叩く。
「まさき？…まさ〜？」
雅「…」
「…まさき？」
雅「…ん、ん…」
「分かる…？」
雅「…ん」
微かに頷いた感じはしたけど、反応が悪い。
「仰向けにするからな？」
雅「…」
体を動かしたら薄っすらと目を開けたから
もう一度名前を呼んだら「しょ、にぃ…」って
小さく口が動いた。
「ん、分かるなら大丈夫。熱が高いから
ちょっと冷やそう？…な？」
雅「…ん」
保冷剤を持ってきて、冷えピタも貼って。
そんなことをしていたら、少しずつ意識が
ハッキリしてきたのか、キョロキョロと目を
動かして…探してる。
「大丈夫、2人ともソファーにいるよ」
こんな状況でも、雅紀が気にするのは双子のこと。
それはすぐに分かったから…
「今ね、反省中。笑」
雅「…ん」
今は休んで欲しくて、そっと頭を撫でる。
聞こえてきた寝息…
頭の下にバスタオルを入れて、ブランケットを
掛けておく。
次起きたら、移動出来るように和室に布団も
敷いておかなきゃね。
［智にぃside］
都内まで打ち合わせに行っている間に、我が家は
色々とあったみたいだ。笑
夕方になって帰宅したら、ソファーで
寄り添って寝ている双子と、和室の布団に雅紀。
翔はその横に座布団を枕にして寝ている。
雅「…とにぃ…？」
「あ、ごめん。起こしたね…ただいま」
雅「…かえり」
いつもの元気はないけれど、小さく笑える
だけで安心する。
翔から「薬飲ませた」って連絡きてたから、その
お陰かもね。
雅「…っていいよ？」
「ん？」
聞き取れなくて口元に耳を近付けたら「入って
いいよって言ってあげて？」って。
振り返って襖を見たら、目を潤ませた双子が
こっちを見ていて。
「おいで？入っていいって言ってるよ」
声を掛けた途端に、飛んできた。笑
一生懸命に謝る和と潤に、「いいよ、俺もごめん」
って声を掛けてあげている雅紀。
お兄ちゃんだね…
ありがとう。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年6月14日 18時
