2507.【3】 ページ7
［翔にぃside］
まったく…
無理しやがって。
倒れ込んだ和の首筋に手を当てて、熱さに
ビックリ。
よくこんなんで、いつも通りに振舞ってごちそう
食べてたな…って驚く。
かなりテンション上がってたから、ここまで
悪化しているとは本人も思っていなかったのかも
しれないなとも思う。
限界を超えて倒れた和は意識なくグッタリ…
智「とりあえず和室に寝かせる？」
「ん、俺が布団敷いてくるから」
立ち上がったら、ソファーに寝転んだ潤に
話し掛けている雅紀の姿。
「そっちも？」
雅「ん、結構熱ありそうだよ」
双子揃って無理してたってワケか。
雅「俺、布団敷いてくるよ。潤のこと
診てあげて？」
雅紀は潤に優しい笑顔を向けてから「無理した
理由がハッキリしてるからさ、今回は叱らないで
あげてね」って俺に忠告も忘れず。笑
ほんと優しいよね、雅紀は。
多分、気が付かなかった自分のことも責めて
いるんだと思う。
俺も同じ気持ち。
テンション上がってたのは俺もだから。笑
「ん、分かった。ありがとな」
思わず頭をポンポンしたくなる。
俺にとっては雅紀も双子と変わらず、可愛い弟
だからね。
「熱、計ろうな…？」
潤「…ん、…めんなさ、い」
「ん、いいよ。和も大丈夫だからな」
潤「…ん」
目を閉じた潤の耳に体温計を差し込む。
ピピッ…38.4℃
潤「…高い？」
「ん、38℃超えちゃってる…和と一緒に
ゆっくり休もうな」
潤「…ん」
しばらくしたら雅紀が「布団敷けたよ〜」って。
潤を支えて移動させてから、智にぃと一緒に
和を抱えて移動させる。
「今のうちに点滴、繋いじゃおうかな」
智「そうだね」
苦手な点滴は、意識がないうちにパパッと
済ませられたら…と思って。
一応、智にぃに腕を軽く抑制してもらって
「ちょっとだけ我慢してな？」って声を掛けたけど
起きることはなかった。
潤も薬を飲ませたらすぐに寝息を立て始めて。
ここのところ日によって気温差が激しかったり
したから、体調を崩したんだと思う。
ただの風邪だから、少し時間が経てば
2人とも元気になるだろう。
和は体力回復まで油断できないけどね。
「雅紀、潤の体調不良によく気が付いたな」
智「ほんとだね」
雅「あひゃ！たまたまだよ〜」
こんなこと言ってるけど、きっと細かい
ことに気が付く雅紀だからこそだと思う。
雅「元気になったら、パーティー仕切り直し
だね」
「そうだな」
智「ケーキは俺らで食べちゃおうか。笑」
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
