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［和side］
「まだやってる？」
翔「…ん。さっき声掛けたんだけど、あと少し
やりたいって」
雅「和、いってきてくんない？」
「ん、いいよ」
手首が痛いのに、なかなか仕事を中断しなくて…
翔にぃが「夕飯まで少し休憩」ってストップを
かけたけど、きかないみたい。
トントントン…
「…入るよ〜？」
智「お、かず。どうした？」
「そろそろ休憩しよ？」
智「ん、分かった。あとこれだけね」
「じゃあ、ここで待ってるね…」
智「…ん、ごめんね」
ベッドに寝転んで、待つことに。
そんなすぐには終わらないの分かってるけど、
このまま部屋を出ても、ね。
本とiPhoneを見ながら、パソコンをカチカチ。
仕事に熱中する智にぃの横顔はカッコいいけど
たまに顔を歪めるのが気になる。
きっと痛いんだろうな…って。
口が小さく動くんだ…
「…っ、…てぇ…」とか「…っ、ふぅ…」って。
痛かったり、痛みを逃そうとしたり
いっぱいいっぱいなのが分かる。
じっとしているだけでも痛むのに、仕事しないと
いけなかったら、そりゃ痛いよね…
「薬、もらってこようか？」
智「あ、ごめん…いいや、休憩する…」
思うように仕事が出来なくて悔しい気持ちも
あるんだろうね…
いつもみたいに優しくフニャッとは笑えていない。
でも「ごめん、お待たせ」って肩を抱いてくれた。
［翔にぃside］
1時間半が過ぎた頃…
和と一緒に部屋から出てきた智にぃ。
「痛む？」
智「…ん、疲れた…」
「薬あるよ、飲む？」
智「…ん」
ちょこん…とソファーに座って、水と一緒に薬を
飲み込んで「いつ治んだろ…」って、ちょっと
落ち込みモード。
気持ちは分かるし、智にぃがこうして
みんなの前で気持ちを表に出すことって
珍しいから何とかしてあげたくて。
「手、冷やそうね。ちょっと貸して？」
智「…ん」
ソファーに凭れて目を閉じちゃってるけど
腕を差し出してくれた。
右手を膝の上に乗せて、包帯を外してから
タオルを巻いた保冷剤をそっと当てる。
智「…っ…」
「ごめん、痛かった…？」
智「…んーん、へいき…」
ビクッと動いたから痛かったのかと思ったけど
大丈夫みたい。
ビックリしちゃっただけみたい。笑
腕をそっとさすって痛みを逃がしてあげる。
少しは効果あるかと…
雅「あとでコーヒー淹れるね」
「ありがと…」
双子はブランケット持ってきて、掛けてくれた。
少し休んで、痛みがひいたらまた頑張ろうね。
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
