2530.【2】 ページ30
［翔にぃside］
脳梗塞の原因を探りたくて
先輩にも協力してもらう。
先「これは？」
「あ、見てみます」
先輩は外来の仕事に加えて担当患者さんもいて
忙しいのに、時間を見つけては原因特定に
力を貸してくれる。
先「資料もらってきたから。これなら、病室でも
見れるだろ？」
「…ありがとうございます」
和の傍にいたい。
だけど原因も調べたい。
そんな俺の気持ちに、先輩は早々に気が付いて
フォローもしてくれるんだ。
雅「どう？分かりそう？」
「ん、もう少し時間かかるかも。検査画像
診てもらったりもしてるから」
雅「そっか」
目覚めない和の傍にいる時間は、しんどい事の
方が多い。
マイナス思考になりがち…
智にぃも雅紀も潤も、疲労が溜まってきているし。
潤「かずー…みんな待ってるんだからな？」
和「…」
トントントン…
先「お邪魔するよー」
智「いつもありがとうございます」
先輩は病室の空気が重くなる前に、いつも
こうして顔を出してくれる。
沢山の資料とパソコン持参でね。
先「和くん？翔先生と一緒に、原因見つけて
治療してあげるからね。もう少し待っててな〜」
潤「くふ…ありがと…先生…」
和にも忘れずに声を掛けてくれて、そのお陰で
潤の表情も和らぐ。
俺のパソコンの隣に先輩のパソコン。
先「これは？」
「データ比べてみます」
和のことを心配しているだけじゃ、前には
進めないから。
それぞれが出来ることをしながら、回復を
祈る日々。
トントントン…
春「失礼します」
担当看護師は春亮さん。
先輩と春亮さんと、俺ら4人が病室に揃う日も
あったりして。
和の意識があれば最高に喜びそうな状況だな…と。
自分でいうのもなんだけど。笑
春亮さんは、智にぃ達と雑談をしながらも
「和くん、ちょっと触りますね？」「和くん、
薬の交換しますね」って丁寧に声を掛けてくれる。
和に触れる手には優しさしか感じない。
潤「和が起きたら、一緒にゲームしてくれる？」
春「もちろん。やりましょうね」
潤「やった！かず、聞いてた？」
春「聞いてますよね。和くん耳いいから。笑」
そうなんだよね、和は耳がいい。
ゲームしながらでも周りの会話をよく聞いて
いるし、俺と春亮さんがコソコソと薬の話し
なんかをしていると…
『新しい薬はやだかんな！』って怒ってきたり
することもあって。
そんな時は春亮さんと顔を見合わせて『聴こえ
ちゃってましたね〜』って笑い合ったりした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2769人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
