2516.【4】 ページ16
［翔side］
昼前に雅紀を
仕事に送り出して、それからずっと
ラグの上でゴロゴロしてる和。
当直明けだから、俺も一緒に。笑
お腹の上に頭を乗せてきたり、腕に絡みついて
きたり甘えん坊さん。
「はは！くすぐったいわ！笑」
和「…んふふ」
太ももにくっ付いてくるから、くすぐったい。
ニコニコしながら見上げてきて可愛いんだけどね。
知らぬ間に眠ってしまったみたいで、潤の
「ただいまー」って声で目が覚めた。
バタバタとリビングまで走ってきて「あのね、
退行の原因もしかしたら…」って話始めて。
俺は、お腹の上で未だ寝息を立てる和の背中を
ポンポンとしながら話を聞く。
「そっか。上手く相談できなくて悩んでたか」
智「和は、人に頼るの苦手だもんね」
カウンセラーに診てもらった方がいいのかとも
思ってたけど、数日は俺らで様子を見てみても
いいかもねって。
和「ん…んぅ…」
「おはよう、かず」
目をゴシゴシして、目が合うとニッコリ。
「潤も帰ってきたよ？」
潤「かずー」
和「んふっ…」
「いいんだよ、いつでも頼って…」
上手くは伝えられないけど、生活しながら…
『困ったことあったらいつでも言っていいよ』
『大きくなっても甘えていいよ』
『いつでも、どこでも、いつまでも…
俺らは和のこと守っていくから』
そんな風に伝えていくことにした。
幼児退行してしまった和は、俺らに悩み事を
打ち明けることはできないからね。
その代わり、悶々とした心の中は晴らして
あげることができるって思ったから…
連日、誰かの傍で安心したように寝息を立てる。
可哀想なのは診察の時ね…
和「…っ、やぁー…」
智「大丈夫、痛いことないよ？」
雅「終わったらアイス食べよ？」
和「…っ、んくっ、たべる」
診察される意味が分からないから、恐がって
グズグズするけど、簡単に物でつられるから。笑
ある意味ラク。
和「…んっ、んくっ…げん、き？」
「ん、元気。大丈夫だな」
雅「はい、アイス」
和「きゃっ！！」
俺らは日頃から、双子に愛情を伝えてるし
相談にだっていつでものるつもりでいるけど…
「なかなか伝わり切れてないのかもしれないね」
智「そうだね、難しいね…」
雅「頼ってもいいのにね」
和室で先に眠った双子を挟んで、少し反省。
でも、反抗期も必要だしね。
何でもかんでも相談できる歳頃ではなくなって
きてる。
俺もそうだったから。
相談できる関係でいることが大事だなって
思った。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
