2513.【子どもになって甘えたい】 ページ13
［和side］
ここ最近、抱えている悩み。
にぃ達や潤にも相談できなくて、悶々としてる…
人に頼るのは何だか苦手で、どうしても
自分から悩みを相談したり「助けて」って
言えない性格で。
「…はぁ〜…」
口から漏れる溜め息にベッドの上で苦笑い。
翔「入るよ〜？」
ノックもそこそこに開けられたドア。
翔にぃは診察道具を持って歩み寄ってきて
「お前も行くだろ、買物」って。
「ん、行くけど」
翔「体調でも悪い？」
「いや、眠いだけ…」
見つめられるのが嫌で、誤魔化して目をゴシゴシ
擦ったら、空気を読んだ翔にぃが「どうせ遅くまで
ゲームしてたんだろ？笑」って茶化してくれた。
「んぅ…」
その優しさが嬉しくて、素直に診察を受けたら
全て基準値クリアで。
翔「よし、行くか！」
「雅にぃにゲーム買ってもらおっと！笑」
今日は近くのショッピングモールに5人で
行くんだ。
雅にぃが「4月から昇給したから新しいゲーム
買ってやる！」って言ってくれていたから。
やっと5人揃って出掛けられる。
車の中も楽しくて、ショッピング中も楽しくて。
何度も何度も『あ〜…素直に相談できたら
ラクになるのになぁ〜』って思う時があって。
目に飛び込んでくるのは家族連れ。
小さな子どもが『買って〜』とか『抱っこ〜』
とか『アイス食べたい〜』とか言って甘えてる。
そんな場面を目にする度に羨ましく思う自分。
にぃ達はそんな子ども達を見て「お前らも
あんな感じだったよ。笑」「懐かしいなぁ〜」って
思い出してはクスクス笑っていて。
大人になるにつれて、どうして素直に「助けて」
とか「相談したい」って言えなくなって
しまうんだろう。
幼い頃のように「聞いて〜」って相談できたら
いいのに…
あの子達のように「にぃ〜」って甘えられたら
いいのに…
そんな風に思いながら帰宅して、その後も悩みを
打ち明けられずに悶々とした日々を過ごして。
だから俺は幼児に退行してしまったんだと思う。
退行した時の記憶ってないから、後から話しを
聞くとちょっと恥ずかしいんだけど…笑
そんな時、にぃ達は「ん〜どうだったかな」
「あんま覚えてねーや」って気を遣って
深くは話さないから。
その優しさに甘えて…
自分では受け止め切れない時、幼児に退行して
助けを求めてしまうのかもしれない。
今回もきっとそう。
だって、いつの間にか幼児に退行して、
悶々とした気持ちも、悩みもスッキリして
いたから。
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作者名：空
| 作成日時：2017年5月4日 13時
