2493.【智にぃの貧血再び】 ページ43
［智にぃside］
※part46【智にぃの貧血】が
ありますが、続きなどではありません。
ご了承ください。
ピピピピッ…ピピピピッ…
目覚まし時計を止めて、しばらく目を閉じる。
仰向けのまま、目の上に腕をのせてグルグルする
感覚が治まるのを待つ。
もう数日は、そんな状態。
前にも同じような症状になって、翔に『貧血』って
診断されたことがあるから分かる。
多分今回も貧血なんだろうなって。
家に一人だと、どうしても昼食が疎かに
なってしまうんだよね…
夢中で仕事してると食べるのを忘れることも
しばしば。
「大丈夫そう…かな…」
しばらくベッドで休んでから、ゆっくりと
体を起こす。
はじめの頃よりも、酷くなったように感じる症状。
体の倦怠感と目眩、立ちくらみと…
「男性の貧血は病気のサインのことも多い」って
いう翔の言葉を思い出して、ちょっと怖くなる。
でも、大丈夫だよね。
これからはきちんと食べるようにするし。
前回はみんなに心配を掛けてしまったから…
出来ることなら自分で何とかしたい。
そんな思いから、貧血気味だとは誰にも相談せずに
いつも通りに過ごすことを心掛けた。
まさか、倒れてしまうとは思わずに…
［和side］
『ごちそう様でした〜』
今日の夕飯も美味しかった。
5人揃って食べられたし、俺も食欲あったし。
智「お風呂の用意しよっかね」
スッと立ち上がった智にぃの背中に向かって
翔にぃが「ありがとう」って言葉を。
それとほぼ同時、智にぃはそのまま膝から
崩れ落ちる感じでフローリングの上に倒れた。
「…っ智にぃ！！」
智「…ん、んん…」
意識はハッキリしているわけではないけど
微かに目を開けて唸ってる。
顔の傍に座った翔にぃのことも認識できては
いるみたい。
翔「ちょっと顔に触るよ？」
お医者さんてやっぱりさすがで、倒れた時の感じと
今の感じとで瞬時にいくつか診断を。
顔にそっと触れて、それから「目診せてね」って。
翔「貧血っぽいね…仰向けにしてあげよう」
雅「おっけぃ」
うつ伏せで、顔だけ横を向いていた智にぃを
仰向けに直す。
足の下にクッションを入れてあげて、診察。
時間が経ったら顔色が少しだけ良くなってきた。
翔「…少しはラクになった？」
智「…ん」
翔「前から貧血っぽい症状あった…？」
智「…めん」
翔にぃからも俺からも目を逸らした智にぃは
再び目を瞑ってしまって…
「とりあえずソファーいく？」って翔にぃの
言葉に首を振った。
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
