2484.【4】 ページ34
［雅にぃside］
和は久し振りに
自分の体に嫌気がさしてしまって。
自暴自棄…
「どうせ頑張ったって…」を繰り返して、
薬を飲みたがらなかったり、食事を拒否したり。
和「ん〜…いい、やら、なくて、いい…」
智「だーめ。診察は必要だもん」
和「んん〜…」
聴診すらも嫌がって、体を捩ってしまう。
でもそこは、智にぃが抱え込んで優しくサポートを
してくれるけどね。
翔「ん、いいよ。終わりな…」
和「ん〜…ばかっ」
ペシッ…
智「…かーず？」
抑制から解放されて自由になった手で、翔にぃを
ペシッと叩く。
実はこの人も、ずっと元気なくて…
「あ、いて…」って小さく声を漏らしただけで
それ以上は何も言わなかった。
智にぃが話をしてくれたから、気持ちの整理は
ついていると思うけど、もう少し時間が
かかりそう。
和も気持ちを立て直すキッカケがないとね…
そんなことを思っていた時、フットサルから
直接病院に来た潤が目をキラキラさせて
1枚のプリントを和の前に差し出したんだ。
『第2試合の日程と会場のお知らせ』
それを見た和はプリントを手で払って「もういい。
また潤に悲しい思いさせるし」って。
マイナスの言葉ばかりを口にする和の傍に
そっと座った潤は…
潤「ねぇ、和は知ってる…？」
優しく問い掛けながら、和の目を捉える。
それから潤は「俺さ、和のお陰で頑張れてる」
って話や「和がいるから頑張れてるんだよ？」って
ことをゆっくりと話してくれて。
閉ざそうとしていた和の心に、潤の言葉は
ゆっくりと届いてくれた。
もちろんすぐには前向きにならなかったけど、
綺麗な涙をポロポロと零していたから、俺らには
分かったんだ。
黙って見ていた翔にぃの目からも涙が零れていた。
和と潤は気が付いていなかったけど、智にぃと
俺はそれを見て、目を合わせて頷き合ったんだ。
『もう大丈夫だね』って。
［潤side］
ピーッ
試合開始の合図で第2試合が始まった。
『じゅんー！！頑張れー！いけー！！』
耳に届く和の声。
あれから和は「また頑張ってみる」って
笑ってくれて。
翔にぃにも「何回かに1回でも、上手く体調を
合わせられたらそれで嬉しいから」って話して。
今回は、その何回かに1回かもしれないけど、
上手く体調を万全な状態にできた。
4人揃って応援にきてくれて、すごく嬉しい。
和の存在が俺に力をくれていることは確かなんだ。
和がいるから頑張れているのも事実。
だから共に、頑張るんだ。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
