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［カウンセラーside］
突然、思いもよらない
診断を受けた患者は情緒不安定になることも多い。
あの時こうしていれば…
もっと、あぁしていたら…
そんな思いに駆られて、自分自信を責めたり
家族に当たったりする。
そうすることでストレスや不安を発散して
病気と向き合う気持ちが作られることも多い。
もちろん中には、それをせずに病気と闘う
患者さんもいる。
今回の雅紀くんみたいに。
何度か病室にお邪魔したけれど
いつも変わらず笑っていて明るくて。
お兄さん達に対する態度も、双子とワチャワチャ
遊ぶところも変わらない。
無理をしていて、今の状態を保っているのか…
それとも、自然体でいることに負担を感じて
いないのか…
はっきりと見抜けない自分がいる。
担当医師と看護師からも「あまりに気持ちに
変化がなくて心配…」という声ももらっていて。
コンコンコン…
雅「…はぁーい？」
手術前夜、兄弟達が面会を終えて帰った後に
担当医師と看護師と共に病室を訪ねてみた。
リクライニングを少し起こして雑誌を見ていた
雅紀くんは、ゾロゾロと病室にきた3人に
ちょっと驚き気味。
でもすぐに「こんばんは」って笑顔を見せて
「今日も和也と潤の相手をして下さって
ありがとうございました」ってニカッと。
もしかしたら…病室に1人になった時に泣いて
いるのかもしれないと考えたこともあったけれど
その心配はなさそう。
「少し話してもいいかな…？」
雅「はい」
今の心境も含めて色々と話をしてみる。
時折「ちょっと不安もあったけど」って言葉を
詰まらせることもあったけど…
雅「運命って始めから決まっていて、変えられ
ないと思うから」
「…そうかもしれないね」
雅「でも、その運命の結末を知っている人は
いないから」
「…そうだね」
雅「結果は運命に任せるしかないけど、悪い方に
考える必要はないと思う」
言い切ってパッと明るい笑顔を見せる。
「手術駄目だったら…」って考えて結果駄目より、
「手術は大丈夫。運に任せよう」って考えて
結果駄目の方がよい。
「手術駄目だったら…」って考えて結果成功より、
「手術は大丈夫。運に任せよう」って考えて
結果成功なら、何倍も嬉しい。
雅紀くんはそんな話しをしてくれた。
それから「みんなが心から心配してくれて
いるのが分かるから、元気でいられる」「いつも
無意識のうちに笑ってるんだ」って。
「俺って、兄弟のことほんと好きなんだね。笑」
って照れながら笑って…
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
