5人で生きてゆく…part50 (ページ25)

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［先輩side］

緊急で検査入院の
患者が…って話が出てて、それが雅紀くんだと
知って。

慌てて病室に駆け付ける。

翔「眠くなるけど、心配しなくていいからな…？」

雅「…ん」

ベッドに寝かされた雅紀くんに、点滴の側管から
薬を入れながら「みんなが来るまで待って
やれなくて、ごめんな…？」って、眉毛を下げて
小さな笑みを浮かべる翔くん。

検査室の空き時間の関係もあって、兄弟の到着を
待たずに精密検査が開始されるらしい。

雅紀くんはそんな兄を気遣ってか「いいの、いい。
目が覚めていてくれたら嬉しいから」って、
ニカッと明るく笑ってみせる。

それは、気遣い屋の雅紀くんらしい姿で…

不安もいっぱいあるだろうに。

翔「先輩、よろしくお願いします」

雅「お願いします。お世話になります」

俺にまで明るい笑顔で挨拶してくるから…

「何も心配しないで寝てればいいから」

「任せろ」なんてカッコいいことは言えない
けど。笑

クシャクシャと頭を撫でたら目を閉じて…

翔「大丈夫だからな…」

雅「…ん」

コクン…小さく頷いて、そのまま眠りに落ちた。

［雅にぃside］

急に精密検査だとか言われて、正直焦った。

「すぐに精密検査に進もう」って医者の言葉。

あれ…もしかしてヤバいのかなって。

2週間以上も体の異常を感じていたのに、放置して
いたからバチが当たったのかなって思いもあって。

自分のせいなのに心配掛けるのは嫌だから…

『何があっても明るくいよう』

目を閉じながら、そう心に決めた。

翔「まさ…？分かるか？」

「ん、ん…」

ゆっくりと目を開けたら4人の姿。

みんな心配そうに俺のことを見てる。

智「検査ね、終わったんだよ」

和潤「…おつかれさま」

智にぃが頭を撫でてくれて、和と潤が片手ずつ
握ってくれた。

「…検査、どうだっ、た…？」

翔「今日はもう疲れてるから、明日話して
もらおうな」

「…ん」

「疲れてないよ。大丈夫だよ」って言おうと
思ったけど、瞼が重くって…

お医者さんに言われていたんだ。

1つ目の精密検査で結果が分かるかもしれないし、
2つ3つ検査を受けてみないと分からないかも
しれないからって。

もし今日の検査で結果が出ているなら、大したこと
ないのかもしれないなって、そう思いたい
自分もいる。

翔「今日はゆっくり休もう…」

「…ん」

瞼の重さには勝てなくて、目を瞑ったまま
色々考えながら眠りに落ちた。

多分ね、薬を入れてくれたんだと思うんだ。