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［雅にぃside］
和「…っ、んくっ、
おねが、い…智にぃのこと、助けて…？」
土曜日の夕方、耐え兼ねた和がリビングの
ソファーでポロポロ泣きながら翔にぃに縋ってる。
和「…っ、んっ…さ、とにぃ、恐がって、る…」
翔「ん、そうだね。早く何とかしたいもんな」
恐怖心でいっぱいになる辛さ、誰よりも経験して
いるのは和だもんね。
智にぃの恐怖心も不安も、自分のことのように
感じて辛いんだと思う。
和「…っ、んくっ…、お願、い…」
翔「ん、分かった。病院に電話してみるから」
縋ってくる和を腕の中におさめて、落ち着くまで
背中をさすってあげて。
翔にぃはとっても優しい顔をしてる。
その後すぐに翔にぃが病院に連絡をとってくれたん
だけど…
智「…だめっ、外は行かな、い…危ない…」
翔「5人で行こう？みんな一緒なら恐くないよ」
智にぃは家から出ることを全力で拒否。
智「…っ、んっ…、や…、行かな、い…」
病院に連れて行くことは無理そう。
そのことを翔にぃが再度電話で伝えたら…
ピンポーン…
和「あっ！先生きてくれた！」
翔にぃの先輩とカウンセラーが家まで様子を
見にきてくれた。
カウンセラーが話をしてくれたけど、智にぃは
「外は危ないよ」「ひかれちゃうよ」って
終始泣いていて。
不安が大きくなり過ぎると「外には行かないで」
「守れないよ…」ってパニックを起こしたみたいに
泣き叫ぶこともあって。
カ「薬で感情をコントロールしてあげて、少しずつ
不安を取り除いてあげよう」
翔「はい、お願いします」
一度は頷いた俺らだったけど…
カ「智くんの今の精神状態を考えると、入院しての
治療がいいね」
「えっ…入院、ですか…」
カウンセラーの口から出た『入院』というワードに
思わず固まってしまう。
こんな状況で入院なんてさせて大丈夫なのか…
智にぃはどう思うんだろう…
和「大丈夫…なの？」
ポツリ…と呟いた和の視線の先には智にぃがいて。
今はベッドで眠っているけど、翔にぃの手を
強いくらいに握ってる。
誰かが部屋から出ていく音がすれば、すぐに目を
覚まして「外は行かないで」って泣き出すほどに
情緒不安定な状態。
そんなんで入院なんてさせてしまって大丈夫
なのかな。
4人とも悩んでしまって決断できず…
そんな時、口を開いたのは先生で。
「家だと、智くんのこと守りきれないんじゃ
ないか…？」って。
「智くんにとって入院が最善の選択だと
思うよ」って。
そうかもしれない…
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
