2454.【4】 ページ4
［翔にぃside］
先輩の言葉を聞いて
確かにそうだなって思って。
このままじゃいけない。
なんとかしなくちゃって…そう思えた。
智「…っ、んくっ…
嫌だ、外は、いや…」
「みんなで一緒に移動しよう？」
雅「そうだよ。そしたら恐くないよ」
智「や…、いや…、…っ、んくっ…」
だけど入院の説得は平行線。
『必ず誰かが傍にいるから』
『一人にはしないから』
そう約束して、智にぃが納得して落ち着いてくれる
のを待ってから病院に向かう。
カ「24時間、付き添ってもらって構わないから」
雅「…ありがとうございます」
和「よかったね…智にぃ」
智「…ん」
不安でいっぱいの智にぃの心に精一杯に4人で
寄り添う。
それでも智にぃの不安も恐怖もピークのままで…
智「…っ、や…、嫌だ、…っ、やりたく、ない…」
雅「大丈夫だよ、智にぃ…」
「危ないから。少しだけじっとしてよう…？」
点滴を拒否する智にぃを雅紀と2人で軽く抑制。
今の智にぃは状況判断が出来ないから、強行突破
するしかないって諦めていたけど…
カ「…智くん？落ち着く薬は使うけど、眠くなる
薬は使わない。約束するから…ね？」
智「…っ、んっ…俺、守れ、る？」
カ「うん、大丈夫。智くんはみんなのこと
守れるよ」
カウンセラーが智にぃの不安に寄り添って
納得するまで待ってくれたお陰で、無理矢理でなく
点滴の処置を受けることが出来た。
カ「薬の力では、恐怖全てを取ってあげることは
出来ないから。カウンセリングも重ねながら
治療していこうね」
「よろしくお願いします…」
精神科のベッドで、体に力を入れて不安から涙を
流す智にぃ。
見ているのは辛いけど、4人で囲って触れて…
「大丈夫…恐くないよ」
温もりを伝え続ける。
和「ここ、寝てもいい？」
「ん、いいよ」
和が隣に寝転んで、抱き締めるように引っ付いて
「恐くないよ」って伝えてくれる。
智「…んな、いる？」
「ん、みんないるよ」
夜中も何度も目覚めては、仮眠用のベッドで眠る
みんなの姿を確認して再び眠る。
そんなことの繰り返し。
智にぃが恐れているのは、事故によって誰かを
失うこと。
事故で突然に大事な人を失った悲しみと、事故の
恐怖がトラウマになってる…
もう同じ経験はしたくないと強く思うあまり、
何としてでも俺らを守らなければ…と必死に
なってしまうんだ。
責任感の強さと優しさの表れ…
大丈夫。
俺らも同じように…
いや、それ以上に返すから…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2702人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
