2463.【3】 ページ13
［翔にぃside］
目を開けたら
薄暗くなった病室に、みんなの姿。
雅紀はまだ仕事だからいなかったけど…
みんな口々に「大丈夫…？」って心配してくれて。
「…ごめん」
無理してごめん。
心配掛けてごめん。
色んな思いが詰まったごめんなさい。
すぐに先輩に「ごめんじゃないだろ」って
頭を小突かれたけど。
先「謝るくらいなら、最初からセーブしなさい」
「はい…」
先輩は一言だけ俺のことを叱って、それから
黙って病室を出ていった。
和「しょ、にぃ…」
潤「翔にぃ…」
両側からギュッと抱き付いてきた双子を
そっと腕の中へ。
「ごめんな…ちゃんと元気になるから」
和潤「ん、約束ね」
2人してスリスリしてくるから可愛いもんだ。
頭を撫でていたら、具合の悪さも忘れるほど。
智「どれくらいの入院になりそう？」
「ん〜…通常なら2.3日だけど。先輩厳しいから
3.4日かな。笑」
智「んふふ。きっとそうだね。笑」
貧血の症状が少し落ち着いてきたら、自宅療養も
許可されるかもしれないけど。
「忙しいのに、ごめんな」
雅「んーん。遅くなってごめんね」
面会時間終了のギリギリで雅紀もきてくれて。
「会えてよかったぁ〜」って照れもせずに
呟くから俺のが照れてしまう。笑
みんなを見送ったら病室がシーン…と。
それだけでも堪えるのに、少しずつ気持ち悪さが
増してきて…
「…っ、ん…はぁ…」
何度も吐きそうになって、でも吐くほどでは
なくてっていう辛い状態。
先輩が薬を入れてくれたから、前よりは辛くない
はずだけど、それでも辛いのにかわりはない。
先「副作用は今日明日くらいだと思うから…
ごめんな、がんばれ…」
夜中に何度も先輩が様子を見にきてくれて
「少しでもラクになれば」って冷たいタオルを
持ってきてくれたり。
先輩が点滴で薬を入れてくれなければ、もっと
辛い思いをするから感謝してるんだけど…
御礼を伝える余裕もなく、唸りながら寝てしまう
っていう。笑
翌朝…
肩をトントンと叩かれて目を開けたら春亮さんが
「体温計りましょう」って、優しい笑みを
浮かべていて。
それだけで安心っていうか、心落ち着くって
いうか。笑
看護師さんの偉大さを感じた俺。
春「翔さんの担当させて頂きますね」
「ん、ありがとう」
和もこれなら安心。
きっとそれを考えて先輩と春亮さんで組んで
くれたんだろうと思うけど。
春「熱はないですね」
「よかった…」
これ以上は心配かけられないから…
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
