2473.【5】 ページ23
［雅にぃside］
ある程度は
話すことを決めておきたくて時間をもらったけど
もう大丈夫。
風呂から上がって家族団らんしてる時にでも…って
思ってたんだけど。
割と早い段階で「もう寝るね」って和が部屋に
いってしまったから話せず。
でもね、やっぱり心休まらなかったみたいで
23時過ぎに3人で飲んでたらフラフラっと
やってきて。
翔「…どうした？」
智「寝られなかった？」
和「んーん…寝てたんだけど、目が覚めてね…？」
語尾を可愛く上げてきた。笑
無意識だろうけど、和が何かをおねだりする
時の癖。
案の定、あらしのケージの傍まで歩いていって
「一緒に寝てもいい？」って。
これは、チャンスだよね。
「かず？あらし抱っこしてきていいから
ちょっとここに、座ってくれない？」
和「んぅ…なに？」
「不安なことあるんだろ？少しは力になれるかもと
思ってさ…」
和「…散歩は…かない、よ？」
やっぱりそこは揺るがないみたい。
でもいいんだ、それでも。
「ん、分かってるよ」
肯定してやったらコクコクっとして笑顔を
見せる和。
その姿に、あらしのことを守りたいって
気持ちの強さを感じる。
「俺が勉強してきた範囲だし、仕事してての
経験での話になるけどな？」
和「…ん」
俺は、なるべく分かりやすく和に知識を伝える。
説明するのは得意じゃないから、途中で翔にぃに
上手くまとめてもらったりしながらね。笑
でも和はしっかり頷きながら聞いてくれて、話が
終わる頃には「ケアしていけば防げるってこと
なんだよね」って笑顔を見せてくれるように。
「できる限りのことはしていこう？
協力しながら」
和「うん」
最後にとびきりの笑顔を見せてくれて「今日は
散歩に行けなくてごめんね」って、あらしを
抱き上げた。
翔「今日だけ特別な。一緒に寝ていいよ」
和「ほんと？んふふ…やったぁ〜」
それから和は、今まで以上にあらしの世話を
一生懸命にするようになった。
智にぃとか翔にぃも色々調べた知識を伝えて
くれてフォローしてくれる。
和「おかえり〜。どういう意味？？」
帰宅して玄関を開けると、飼育書を手に
こうやって質問してくることも多くなって。
俺って、双子に何かを教えるってあんまり経験
ないから、なんか新鮮。
和は「雅にぃってやっぱりすごいね」って
尊敬の眼差しを向けてくれることが増えた。
ちょっと嬉しいかも。笑
でも何より嬉しいのは、和の笑顔だよね。
和は守れてるよ、あらしのこと。
END
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
