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［和side］
今日、いつものコースを
あらしと散歩してたらよく会うオバちゃんが
公園のベンチにいて。
あらしとオバちゃん家の犬も仲良しだから
立ち止まって挨拶をさせていたら「あらしくんは
ノミダニの対策してる？」って聞かれて。
あらしの健康のことは、雅にぃがちゃんと
管理してくれていて薬を飲ませてくれていることも
知っていた。
にぃ達が説明してくれたし。
だから「してます」って自信もって答えたんだ。
でもオバちゃんは「わたしも気を付けてるつもり
だったんだけどねぇ…」って過去の話を始めて。
興味があることだったから、ベンチに座って
聞き込んでしまった。
そしたら話の内容は怖い方へ、怖い方へ…
『ノミアレルギー性皮膚炎』
『瓜実条虫症』
聞いたことがない病名が次々に出てきて、
詳しく話しを聞いた。
「人に感染することもあるから、一緒に暮らせ
なくなる場合もあるのよ」とも教えてくれた。
オバちゃんは笑いながら「まぁ、小さい子どもとか
お年寄りが同居してる場合は特に気を付けないと
いけないわね」って。
それから「和くんも持病あるんだから、十分に
気を付けなさい」って。
俺の持病のせいで、もしあらしと一緒に
暮らせなくなったら…？？
そんな不安が頭を過ぎったら怖くて堪らなくて…
家に帰ってから必死にブラッシングしたんだ。
前に雅にぃが「散歩から帰ってきたらブラッシング
してやることも大事」って言っていたから。
当の本人はドーナツにつられて、俺の膝から
去っていってしまったけど。笑
翔「…具合悪い？」
「んーん…平気」
翔「こっちおいで」
みんなから少し離れたところに座っていた俺を
翔にぃが手招きする。
ズリズリ…と寄っていったら、おデコに
当てられる手。
「んぅ〜…平気だもん…」
翔「はは！いつもそうやって隠すからさ。笑」
「むぅ…」
信用ないなぁ、俺。
まぁ、そりゃそうか。笑
でも今はほんとに元気。
ただ、あらしのことで頭がいっぱいなだけ…
雅「かーずちゃん、あらし抱っこしてて
あげるから。食べちゃいな？」
「ん、そうする」
腕の中から、あらしの温もりが消えたら何だか
寂しくて不安になるけど…
智「美味しいよ、ほら」
「ん、ありがと…」
ガブッとドーナツに噛り付いて、ココアを飲んで。
ん、確かに美味しいし温まる。
雅にぃの膝の上で寝息を立て始めたあらしは
幸せそうな顔をしているし。
俺が守ってあげるからね…
傍にいられるからね…
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作者名：空
| 作成日時：2017年2月18日 9時
