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［翔にぃside］
駄々っ子雅紀は
その後も健在で…
雅「やぁだ…」
双子が病室にいる時は、比較的お兄ちゃんで
いるんだけど2人が学校に行って、俺らだけに
なると急に聞き分けが悪くなって。笑
雅「もう、いい…やだ…」
「ちゃんと吸わないと治らないよ？」
智「後少しだから。ね？」
雅「や…」
吸入なんかも嫌がって、治療がなかなか進まない。
無理矢理に抜管した日から「抑えないで」が
口癖になって、しきりに頼んでくる。
言うこと聞けば抑えつけたりしないし、危険が
ない時も待ってやれるけど…
「あと2分…」
雅「…っ、や…、離し、て…」
吸入みたいに時間や薬の量が決まっている時は
なるべく頑張って欲しい。
智にぃが手を掴んで胸元で抑えてくれる程度で
大丈夫だから進めてしまう。
雅「や…、痛い…」
喉の炎症が酷いから痛いのは分かるけど
もう少し協力してくれても…ね。笑
「こーら。頭動かさないの」
雅「…ん、抑えない、で」
「なら言うこと聞け！笑」
吸入するだけで、こんなに大騒ぎなんて
まるで誰かさんに付き合っているみたい。
智にぃと2人きりの時に「そっくりだね」なんて
話もしたくらい。
「はい、終わり。頑張ったな」
雅「…痛い、ばか…」
こうして吸入させるのも大変だけど、食事の
時間も手がかかる。
ちっとも食べようとしてくれないんだもん…
智「まさき？3人で食べるんでしょ？」
雅「お腹、空いてないもん…」
「お腹空いてなくても食べないと…」
雅「やぁだ…」
智にぃと俺を困らせて楽しんでいるんじゃないか？
ってくらい駄々ばっかり捏ねる。
涙目で見上げられてフルフルと首を振られたら
敵わないよ…笑
智「ほら、美味しそうだよ？雅紀好きそう」
雅「やだ…好きじゃない…」
食欲もないし、喉の痛みもあるから食べたくない
気持ちも分かるけど…ここは頑張って食べて
治していくしかない。
だからね、俺らは雅紀にご褒美を用意して
褒美で釣る。笑
「まさ？頑張って食べられたら、売店まで散歩に
行ってみよっか」
雅「…」
智「いいね〜、そしたら雑誌買ってきて
ベッドで一緒に見よっか」
雅「…」
智翔「…ん？どうする？笑」
雅「…食べ、る」
甘やかしすぎってくらい。笑
双子に見られていたら、こんなには甘やかして
あげられないから今のうち。
雅紀の不調が治って、また「絶好調〜」って
笑えるようになるまでね。
俺と智にぃは頑張るつもり。
だって雅紀は大事な弟だから…
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
