5人で生きてゆく…part48 (ページ40)

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2390.【智にぃが倒れた！】ページ40

［智にぃside］

※このお話は
【5人で生きてゆく…part24】の
1184話［智にぃの入院］の前に繋がります。

「…いってぇ…」

寝起き直後にお腹に感じた鈍い痛み。

でも我慢できる程度だったから、とりあえずは
二度寝して誤魔化した。笑

ほんとは、すぐにでも翔に相談しないと…って
思いが頭を過ぎったんだけど「当直でいないし」
って都合よく後回しにして。

そしたら二度寝後は痛みがマシになってたんだ。

だから当直明けで帰宅した翔には、話さなかった。

余計なことで心配掛けたくないし、このまま
治っちゃうと思ったしね。

でも実際はそんなに甘くはなくって。

夕食時に5人が揃ったあたりから、本格的に
お腹が痛くなってきた。

幸い今日は端の席だし、向かいには双子が
座っていてテンション高めでキャッキャして
くれているからバレずに済むかも。

そんなずるいことを考えながら、何とか痛みを
紛らわしたくて深呼吸したりしながら
過ごしていた。

でもそんな時に、すごいお腹の痛みを感じて
座っていることすら辛くなって…

ガタッ…

体を大きく左に傾けたら、椅子から落ちて
しまった。

「…っ、…た、い…」

お腹を押さえながらうずくまることで精一杯。

泣き出した双子の声が聴こえてきた…

［翔にぃside］

双子の楽しそうな会話を聞きながら食事を
していたら、突然智にぃが椅子から転がり落ちて…

お腹を痛がっているみたいだけど、受け答えが
出来ないほど。

額に冷や汗をかきながら悶えてる…

「どこ痛い？このへん？」

智「…ん、んん…」

触診して「多分、虫垂炎だな…」って思って。

「車出してくれる？」

雅「ん、分かった」

和と潤は「智にぃ…」「死なないで」って
泣きながら呼び掛けてる。

「和、潤？智にぃ、大丈夫だから。
これから病院行くよ」

和「…っ、んくっ、やだ…さと、にぃ…」

潤「…っ、んっ、んくっ…」

双子は、幼い頃に両親の死に突然、直面したことで
死を恐れているし、不安も大きい。

目の前でこうして大好きな人が苦しんでいると
パニックになってしまうんだよね…

「大丈夫だから…な？」

2人を順番にギュッと抱きしめて、雅紀と一緒に
智にぃを車に乗せた。

智「ん、ん…、ごめ、ん…」

車に乗せてしばらくしたら痛みの波が引いたのか
智にぃが言葉を発せられるようになって。

和「…っ、んくっ、…とにぃ…」

潤「…んっ、ん…とにぃ…」

智「ごめ、んね…」

智にぃは2人の頭を撫でてくれた。