2391.【2】 ページ41
［和side］
智にぃが急に倒れて
しかもすごく苦しんでいて…
そんな姿を見たら、頭に真っ先に浮かんできたのは
『もし智にぃがいなくなったら…』って不安で。
『死んでしまうかも』そしたら『もう会えない』
あの時の、お父さんとお母さんみたいに急に
いなくなってしまうのかな…って。
涙がポロポロ溢れていっぱい泣いちゃった…
翔「智にぃね、虫垂炎。よく耳にする盲腸ね」
雅「大丈夫なんだよね？」
翔「ん、とりあえず今は鎮痛剤入れてるから
落ち着いてるけど、手術した方がいいとは思う」
『手術』って言葉、俺は嫌い。
だって怖いし、ちゃんとに帰ってきてくれるのか
分からなくなるから…
だから「嫌だ」っていっぱい泣いちゃった。
そしたら翔にぃは優しく笑って「和の気持ちは
分かってる。無理矢理にやったりしないから
大丈夫」って言ってくれた。
翌朝…
薬で炎症も落ち着いて「もう痛くないよ」って
ベッドに座って優しく笑った智にぃ。
それから「ごめんね」って言いながら俺らのこと
抱き締めてくれて。
翔にぃから「薬で散らす方法と、手術があるけど」
って説明を受けて、悩んでいるみたいだった。
［智にぃside］
俺が悩んでいたからか、雅紀が「売店で何か
買い物してこようか」って双子を連れ出して
くれた。
途端に翔からの視線が厳しくなって「どうして
悪化するまで我慢したの？」って叱られた。
「ん、ごめん…まさか、こんなことになるとは
思わなくて…双子のことも泣かしたし、ほんとに
悪いと思ってるから…」
今回はね、本当に反省してる。
双子をあんなにパニックにさせて、不安な思いを
させてしまったからね。
もちろん翔や雅紀の不安も分かってる。
だから一生懸命謝って。
あ、俺なりにね。笑
そしたら翔が「いいよ、その代わり頑張って
手術受けてくれる？」って。
翔「薬で散らすと再発もあり得るから。完治を
目指すなら、やっぱり手術が必要」
「ん、そっか。分かった。覚悟決めるね」
翔「ついでに和の説得もよろしくね。笑」
その時はよく分かっていなくて頷いたけど
その後、和の説得は大変で。笑
手術に対しても、死に対しても恐怖心が大きい
から「恐いよ、嫌だよ」って泣かせてしまった。
でもね、俺の得意技があるから。笑
「ここおいで」って布団の中に誘って、腕枕を
しながら説得したんだ。
そしたら最後にはニコッとして「手術の日は
傍にいたい」って条件付きで、OKをくれた。
にぃちゃん、頑張るね。
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年10月26日 18時
