2106.【6】 ページ6
［雅にぃside］
違和感が強くて
堪えられなくて迷惑掛けちゃった。
でも、一眠りしたら…
智「おはよう、まさき」
翔「あ、まさ。おはよう」
優しい笑顔が2つ…
罪悪感も、これからの不安も軽くなる。
それに、やっぱり直接の栄養って力になるみたい。
流動食を始めてもらって4日目くらいで
それを実感できるようになって、体力が回復
してきたら「早く元気になりたい」って気持ちも
持てるようになった。
双子も最初は、チューブを入れられた俺を見て
心配ばかりしていたけど、今ではすっかり
いつもの調子。
潤「宿題、ここで終わらせよーぜ」
和「きゃはっ！雅にぃのとなり〜」
こんな感じで可愛いったらなんの。
この空気に癒される。
でも、俺が嫌いな時間はやってくる。
それは智にぃが双子を連れて帰宅した後…
翔「まさき〜、診察の時間で〜す」
先「こんばんは〜」
翔先生と先輩先生のコンビは最強で
絶対に敵わない。笑
翔「まーた、そんな嫌そうな顔して」
「だって…」
翔「すぐ終わるから大丈夫。はい、口開けて？」
「…あー」
翔「開きまーす」
嫌々でちょっとだけ開いた口に、翔にぃは指を
入れて容赦なくガバッと開いてくる。
「…っ、んっ…」
翔「薬塗りま〜す」
「…っん、…んげっ…ん…おぇっ…」
これまた躊躇いなく大きな綿棒で喉の奥に
薬を塗られ…
先生のサポートが早いから、顔を動かすことも
出来なくってね…笑
聴診器を当てられた後は吸引処置が待っている…
先「軽くでいいから口開けてるよ〜」
「ん〜…」
翔「…まーさ。笑」
歯を食いしばったら、眉毛を下げて笑った翔にぃが
ほっぺをツンツンって。
この顔は好き。
先生から「最初は、本気で心配そうな顔してたん
だよ」って聞かされてるから、この顔に
なってくれて嬉しいし。
「…あー…」
翔「はい、お利口さん。ちょっと頑張るよ〜？」
「…っ、んっ…、…っ、…んぐっ…」
先「手は我慢〜」
「…っん、…っ…、…んっ…っ…」
苦しい時間は日に日に短くなってる。
翔「おしまい」
翔にぃの手が胸に伸びてきて「良くなって
きてるからな〜」ってさすってくれる。
先生はパパッと片付けを済ませてくれるし。
俺、守られてるな…って。
そういうこと考えると涙が零れて
きちゃうんだよね…
翔「泣かない、泣かない…笑」
慌てた翔にぃに抱き起こされて、今度は背中を
さすってもらえる。
「みんな、ありがと…」
翔「ん、伝えような…」
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
