2138.【4】 ページ38
［翔にぃside］
雅「かーずちゃん、
怒ってないから。頑張るんだよ？笑」
和「…ん」
余計な心配をさせたままだと可哀相だと思ったのか
雅紀が気を利かせて部屋にきてくれて。
「ほら、和はなんて言うの？」
和「…」
俺の膝に乗っかってコアラみたいにくっ付いた和の
背中をトントン叩いて促せば…
和「…めん、なさい」
蚊の鳴くような声。笑
雅紀は「いいよ〜」って笑いながら部屋を
出ていく。
「よし、頑張るか」
和「ん、ん…トイレ」
俺が先に進もうとすれば「トイレ」って訴えて。
ベッドに寝かせようとすれば「喉渇いた」だの
「またトイレ」だの。
「もうおしまい。トイレもいったし、ジュースも
飲んだだろ？頑張るよ？」
和「ん、ん〜…」
智「おいで、かず」
このままだとキリがないからベッドに寝かせて
進めてしまう。
「手、離して？」
和「や…」
ズボンを掴んでさらなる抵抗。
泣くわけではなく、こんなにグズクズになるのは
珍しい。
智にぃと声を掛けながら、心の負担も考えて
進めていく。
和「んっ、ん…、や、だ…」
「ふーって。力抜いてごらん？」
和「…っ、ん…や…」
モゾモゾ動く足を軽く固定してもらって
何とか座薬を押し込むけど…
気持ち悪さが残るのか、機嫌が悪くて
昨日みたいに眠ってはくれなくて。
「もう、終わり。大丈夫…」
和「…だ、や…、トイレ…」
「駄目」
和「や…」
言い聞かせても体を起こしてベッドから降りようと
してきて手に負えない。
どうしたものかと悩んでいたら「嫌だったん
だもんね…頑張れて偉かったよ」って智にぃの
優しい声。
それから俺の耳元で「さっきみたいに
してあげて？」って。
確かに俺は、さっきから和をベッドに戻すこと
ばかり考えて気持ちを考えてあげれてなかった。
ベッドに上がって「おいで」って声を掛けたら
お腹にギュッと抱き付いてきて。
「頑張ったな、かず。もう、大丈夫…」
小さい頃と違って、完全な抱っこはしてやれない
けど、これで気持ちが落ち着くなら…と思う。
和「…ん、…イレは…？」
「トイレは後でな。また入れ直しは嫌だろ？」
和「ん、ん…いや…」
グズクズは健在で大変だけど、背中をさすって
「偉かった」って褒めていたらだんだん眠たく
なってきたみたい。
「お疲れさま…」
こんな感じでこの日は何とか座薬を終えたけど…
和「無理！あらしと遊ぶ〜」
翌日は、また大変。
あらしと和室に逃げ込んだ和を
さて、どう捕まえようか…笑
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
