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［智にぃside］
翔「ほーら。
嫌なことは終わらせちゃおう？」
和「ん〜…」
泣くこともなく落ち着いてるけど、座薬を断固拒否
の和に対して、翔は説得を始めた。
「やらないと終わらない」ってことを繰り返し
伝えて、和の口から「やる」って言葉が
出るのを待つ。
結果的に「すぐ終わらせてね…？」が和の「やる」
って意思表示だったけど。笑
力の入った背中をさすってあげながら
抱え込ませた足を軽く抑える。
翔「深呼吸して？」
和「…っ、ん！」
ゼリーが塗られてビクッと反応する背中。
「すって〜…はいて〜…」
和「ん、ん…」
俺の声掛けに合わせて頑張ろうとしてるけど
深呼吸には程遠い。笑
翔がタイミングを見計らって座薬を押し込めば
「ん〜…」って苦痛の声。
でも、思っていたよりスムーズに入ってくれて
和も安心したのか、すぐに眠ってくれた。
翔「はぁ〜…ありがと…笑。明日はどうなるか…」
「だね…笑」
眉毛を下げて苦笑いの翔は、和の頭を優しく何度も
撫でて「頑張るんだからな？」って、眠ってる
和に言い聞かせていたけど。笑
それは届かず…
和「無理！トイレいきたい！」
翌日も、あの手この手で座薬を拒否。
「まだ寝ない」「トイレいきたい」って。
グズクズして…「幼稚園行きたくない」って
愚図る子どもみたいに…
なかなかリビングのゲームから離れないから
雅紀が「テレビ観るから」って場所を奪ったら…
和「ん〜…ばかっ！」
ゴンッ…
近くにあったリモコンで雅紀の頭を思いっきり…
思わず俺が「和！！」って怒鳴ってしまって
ビクッとした和は階段上から見ていた翔のところへ
逃げていった。
さっきから呼ばれても反応しなかったくせに。笑
駆け上がった和の腕を翔が引いて部屋へ
連れていく。
追いかけていって覗いたら、ベッドに凭れるように
座った翔のお腹に和が引っ付いてる。
和の抑えきれなかった気持ち、翔が受けとめて
くれたみたいで安心…
背中を優しく撫でながら「雅紀だって痛いんだから
後で謝まろうな？」って。
和は小さく「…ん」って声を出して、顔をギューッ
と埋めて甘えてる。
翔「…頑張れそう？」
和「ん、ん…、ま、だ」
翔「…笑」
和を抱っこする様に座った翔は苦笑い。
床に座ってるとはいえ、重たいんじゃないかな…笑
翔「トイレは？行っておく？」
和「んーん…まだ、いかな、い」
翔「…笑」
グズクズで甘えん坊さん。笑
嫌な治療の時は心の負担も大きいもんね…
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
