2136.【2】 ページ36
［翔にぃside］
心配なことと
続いてる不調について話をしてくれた和を連れて
病院を受診。
消「綿棒少しだけ。
すぐ終わるからやってもいい？」
和「…や、だ」
やっぱり細菌検査は避けられなかった…笑
智にぃに軽く膝を抱え込ませてもらって
俺は両手を確保。
和は「離せっ」って怒ってるけど、パニックにも
ならないし、泣きもしてないから大丈夫そう。
そう思って先生に合図したら「ちょっと、
我慢ね〜」って。
和「…っ！ん、んぅ…、ん〜…」
和は苦手な感覚に顔を歪ませて嫌がってるけど
何とか耐えてくれて…
検査の結果、細菌の特定もできて『軽度の腸炎』
「今回は洗腸も注腸剤もしないで、座薬のみで
経過をみようね」って先生。
和はホッとしたのか「たいちゃん、ありがと…」
って自分からお礼を伝えている。
「ちゃんと翔先生に言えて偉かったね。早期治療が
大事だから良かったね」って褒めてもらえたしね。
そんなんだけど…
一筋縄ではいかないのが和くんなんだよね。笑
和「やだ！まだ寝ないもん…」
「いいから。きなさい。笑」
和「やーだー」
座薬は就寝前に一回なんだけど、部屋にいったら
入れられるって分かってるからリビングから
動こうとしない。
何とか捕まえて、部屋まで腕を掴んで連行したけど
足が元気に動きすぎちゃって蹴られそうだし。
智にぃと「もう入れちゃおう。笑」って
強行突破しようとしたら「やらない！」って
すごい勢いで抑制を振り切って、振り向いてきて…
「やべっ…」
和「ん〜…ばかっ！」
座薬…見られてしまった。笑
今回は、いつも使っている座薬より一回り
大きいものが処方されたから、見せないでおこう
って、智にぃと決めていたのに。
和「ん〜…座薬、きらいっ」
鋭い和がそれに気が付かないはずはなく「そんな
大きいの嫌だから」って御立腹。
「かーず、大丈夫。先っぽ溶かすし、ゼリーも
ちゃんと塗るから…な？」
和「やだっ！」
智「かず、起き上がらないよ？すぐ終わらせて
くれるって。大丈夫…」
和「やだ！離せやっ！」
体を起こしてしまうから智にぃがそっとベッドに
戻してくれて…
「見られてごめん」って俺の言葉に、智にぃは
優しく笑って「俺も想定外だから、ごめん。笑」
って。
「やってみたら分かるけど…そんなに変わらない
から。な？大丈夫…」
和「やだ！大きいのや、だ…」
座薬に対して苦手意識の高い和には、この座薬が
かなり大きなものに見えてるんだろうな…って。
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
