2135.【腸炎再び…】 ページ35
［和side］
ここんとこ
3日間くらい、お腹の微妙な痛みと下痢が
続いてる。
なんとなーく分かるんだよね…
これは翔にぃに伝えて病院に行かないと駄目な
パターンだなって。
でも、もしまた『腸炎』だったら？
綿棒でグリグリ検査されて、腸内洗浄して
薬も入れられて…
前回の治療を思い出したら、とても相談する気には
なれないんだもん。
今は『重症化したら…』より『またあの治療…』
って嫌なのが上回る。
もしかしたら、もっと重大な病気かも…って
恐怖心も。
ただのお腹の風邪だったらいいな…
そんな風に都合よく考えて、お腹に優しい物を
選んで食べたり、お菓子我慢したりしてみたけど。
やっぱり駄目だ…
お腹に感じる鈍い痛みは不安に繋がる。
我慢できる程度の痛みだけど。
でも、でも相談した方がいいよね…
翔にぃなら助けてくれるって分かってる。
そう思って決心して翔にぃの部屋の前まで
行くんだけど…引き返しちゃう。
どうしよう…
心配だけど、治療が嫌だし、恐い。
［智にぃside］
双子が眠った後、飲みながら和の話。
翔が言うには『腸炎じゃないか』って。
早めに治療した方が良いとは思うけど、本人の
苦痛を考えると…って悩む姿は、医者ではなくて
お兄ちゃんで。
「和から話してくれると思う。あと1日だけ
待っていい？」って。
俺と雅紀は、もちろんOKを出した。
問い詰められて治療になるより、自分から話せた
方が前向きになれるしね。
そんな話をしていた翌日の夜…
微熱があったから、雅紀とシャワーをパパッと
済ませてきた和は、リビングでテレビを観ている
翔の隣に、ちょこんと座った。
翔が何か話し掛けて和が首を振って。
いつもなら翔に凭れて甘える和だけど、今日は
ソファーの背凭れで我慢してる。笑
そのまま暫くテレビを観ていた2人だけど
和がコテッと翔の膝に頭をのせて甘え始めた。
雅紀と潤と『あ…大丈夫だね』って頷き合って
見守ることに。
翔は黙ったまま、しばらく和の髪の毛を優しく
いじっていて…
それから「…どうした？」って柔らかく問い掛けて
目を合わせた。
和「…ん、ん…」
何かを発しようとした和だけど、上手く言葉に
ならず…
でも代わりに、翔の手を掴んでお腹の上へと
持っていった。
翔「…ん？調子、悪い…？」
和「…ん、すこ、し…」
翔「そっか。さすろうな…」
翔の手は優しくクルクルと和のお腹の上を動く。
和は目を瞑りながら、ここ最近の不調を
翔に話して伝えている。
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
