2130.【6】 ページ30
［和side］
今までで経験した痛みで
一番かもしれない…
もともと座薬とかの感覚が苦手ってのも
あるからなのか、もう頑張れる気がしない。
精一杯に抵抗してみるも、智にぃの腕の中からは
逃げられないし…
翔にぃが麻酔のゼリー塗ってくれるけど
「もういやだー」って叫んで泣いた。
堪えられないよ、こんなの…
最初は触られてる感覚すらないのに、徐々に
押し広げられる痛みは激痛に変わっていく。
「…っ、…んっ、んくっ…」
叫ぶ力もなくなって、でも痛くて…
どうしたらいいの…って。
智にぃの「終わったからね」って言葉を
ただ待つしかない時間。
でも、終わったら痛みはパッと消えて
ラクになる。
「麻酔が効いてるからな」って翔にぃが
教えてくれた。
痛みが消えれば忘れちゃうくらいで。
学校も楽しいし、ゲームも出来るけど。
夕飯の後には恐怖の時間。
もう嫌だ…こんなのが続くなんて信じらんない。
そう思いながらも何とか浣腸までは耐えたけど…
［雅にぃside］
和の我慢の糸がプツン…と切れた。
トイレから戻ってきて、ベッドに戻るのを拒否。
床に寝転がってどうにもならなくて、遂に俺が
ヘルプで呼ばれた。
翔「もう床でやっちゃうから、抑え込んでて」
パニックになってるわけではないから「触んな」
「離せ」って叫んで怒ってるけど…
次第にそれが涙声に変わってしまう。
「かず…がんばれ…」
智にぃに指示された通りに体重をかけて
抑え込む。
翔「座薬入れるから…」
和「…っ、んくっ…や…、げほっ…」
智「まさ、背中さすっててやって」
「ん、わかった」
興奮気味に忙しなく動く背中に手をやって
伝わるようにちょっと強めにさする。
翔「ごめん、我慢な…」
ギューッと押し込まれる座薬に、和は顔を歪ませて
「痛い」って泣きながら。
彷徨う手を握ってあげながら逃げたくて捩る体も
抑え込む。
治療のこと話では聞いてたけど、正直…想像以上。
痛くて堪らなくて泣いて泣いて、手が付けられない
和に向き合うことって、そうそうないから…
和「…っ、…た、い、…んくっ、や…」
翔「ごめん、ごめんな…もう少し」
マッサージの間も呼吸を乱しながら「もう嫌」って
沢山泣いて…
和「…っ、や…、…た、い、…っげほ…」
翔「これで、おしまい…」
でも、頑張った分成果は出てる。
治療してくれてる翔にぃにしか分からないくらい
少しだけど、肛門の筋肉の柔軟性は戻ってきて
いるんだって…
がんばれ…かず。
END
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作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
