2103.【3】 ページ3
［雅にぃside］
もともと、風邪とか
引くと喉にくるタイプの人間だけど…
こんなに喉が痛いの初めてで。
しかも口の中にチューブ突っ込まれて苦しくて
堪んないし。
翔「もう少し…」
もう少し…ってさ、さっきも翔ちゃん
そう言ったのに…笑
「…っ、…んっ、…んっ、…っ…」
さらに奥に突っ込まれると、声も出せなくなる…
泣きたくなんてないのに、涙は零れちゃうし。
智「頑張れ…」
翔「苦しいな…」
「…っ、んっ…、…っん…っ…」
右と左の手を、それぞれ兄に繋がれてさ
恥ずかしいよ…
縋っちゃうけどさ。笑
看「最後にしますね〜」
まだやんの…
「…っ、んっ、…んぐっ、…げほっ…」
チューブが抜かれたら、すぐに翔にぃが
聴診器で胸の音を確認してる。
「綺麗な音になったから吸入な」って
今度は変な薬吸わされるし…笑
もう喉が痛くて、唾を飲み込むのも辛いのに
薬を吸うのはもっと苦しい…
翔「今は辛いけど、腫れに効くから…頑張れ…」
僅かに首を振って拒否を示したみたけど
駄目みたいね。笑
智「頑張って吸おうね、まさき…」
「…ん」
迷惑掛けて、心配掛けてるもんね…
できる限り、我慢して吸おうと思うけど
口の中に唾液が溜まってきて苦しくなってくる。
飲み込む勇気がないもん…
そしたら翔にぃがそれに気が付いて「吸入器
持っててもらっていい？」って智にぃと交代。
何するのかと思いきや、また準備された吸引の
チューブ。
さすがにもう嫌で、精一杯に顔を動かす。
翔「まさき、大丈夫。笑」
そんな俺の反応に翔にぃはなぜだか笑ってから
「口の中の唾液吸ってやるから。気管の方には
入れないから苦しくないから。な？」って
優しく教えてくれた。
翔「智にぃさ、雅紀のこと後ろから抱えて
あげてくれる？」
智「ん、了解」
ベッドの後ろに智にぃが座って吸入器を
当ててくれて、俺が凭れてる状態。
さっきよりラクだし、安心できるかも…
翔「そんな恐がらなくても、大丈夫。笑
辛いことしないから、目瞑って頑張って薬
吸ってて？」
吸引のチューブを持って目の前に立たれたら
体が強張ってしまったけど、翔にぃが優しく頭を
撫でてくれたからコクンと頷けた。
智にぃに胸元を撫でられながら、薬を吸っていたら
口の中にチューブが入ってきて…
溜まっていく唾液を吸ってくれる。
口の中がスッキリしてきて、だんだん眠たく
なってきちゃった…
ズズズズ…って音を聞きながら
意識を手放した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1957人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空
| 作成日時：2016年2月10日 18時
